50代からでも遅くない?理想の老後の住まいとお金の準備を考える。
配信日: 2019.02.24 更新日: 2019.06.28
どのようなセカンドライフを持ちたいかは人それぞれです。どこでどのような暮らしをしたいかは、できればリタイアする前の、50代から夫婦や家族で話しておくと、いざというときに慌てずにすむと思います。当然ですが、住まいによっては、お金の準備も必要になるので、計画的に資金を用意する必要もあります。
今回は、「リタイア後にどこに住んだら良いか」を考える上での選択肢を整理し、お金を準備する段階で、活用を検討したい制度をいくつか紹介してみたいと思います。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
「持ち家」「賃貸」住まいの各選択肢
■持ち家の場合
まず、大きく3つの選択肢があります。1つは「そのまま住み続ける」、2つ目は「建て替える」、最後は「住みかえる」です。そのまま住み続けるには、バリアフリーへの改修、間取りの変更など、リフォーム資金が必要となる場合があります。
建て替えは、「新築に建て替える」「二世帯住宅にする」「賃貸併用住宅にする」などがありますが、この場合は、リフォームよりも多くの資金を準備する必要があります。
住みかえる場合は、住みかえ先が、都心なのか地方なのか、あるいは海外なのか、一戸建てなのかマンションなのか、さまざまな選択肢があります。また、持ち家から賃貸への住みかえや、サービス付き高齢者向け住宅に入居することなども選択肢としてはありますが、相応の資金を準備する必要があります。
■賃貸の場合
賃貸住宅に住んでいる人は、「そのまま住み続ける」のか「住みかえる」のかを選択する必要があります。
次に、住みかえるのであれば、持ち家にするのか、別の賃貸住宅にするのかを考える必要があります。住みかえ先は、持ち家の人と同様に多くの選択肢があります。
いずれにしても、どのようなセカンドライフがしたいかをよく考えた上で、老後の住まいを検討し、そのための資金を準備しておく必要があります。
老後の住まいのためのお金を調達する
老後の住まいのイメージができたら、次はそれを実現するために、お金を準備する必要があります。ここでは、お金を準備するために利用できる制度、方法を3つほど紹介します。
■住宅リフォーム助成制度
多くの地方公共団体では、耐震改修やバリアフリー改修、省エネ改修などに対する補助を実施しています。例えば、東京都の杉並区では、耐震改修の費用を一部助成する制度があります。また、エコ住宅促進助成として、太陽光発電システムなどを導入する際など、導入前に申請し、予算枠に達していなければ、最大12万円の助成金がもらえる制度などもあります。
ただし、助成の対象となる建物用途などの要件は、市区町村によって異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村に問い合わせをしてみましょう。
■マイホーム借り上げ制度
一般財団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)による、マイホームの借り上げ制度です。セカンドライフには広すぎるといった理由や、住みかえにより、使われなくなったシニア層(50歳以上)の自宅を、借り上げて転貸し、安定した賃料収入を保証する制度です。
これにより自宅を売却することなく、住みかえができたり、賃料収入を老後の資金として活用したりできます。詳しくは、JTIのホームページや、お近くのJTI相談窓口で確認・相談してください。
■リバースモーゲージ
大手銀行では、現在住んでいる自宅を担保にして、老後資金の融資を受けられる「リバースモーゲージ」という制度を取り扱っています。自宅にそのまま住み続けながら融資を受けられ、亡くなったあとに自宅を売却して一括返済することができます。
ただし、途中で金利が上昇し、利息の払い込みが増えるケースや、想定以上に長生きして、生きている間に受取総額が評価額に到達し、借入を継続できないなどのリスクもあります。要件・返済方法などをよく検討してから活用するようにしたいものです。
参考・出典:
杉並区ホームページ耐震化支援事業
エコ住宅促進助成
一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI )
住宅金融支援機構ホームページ 【リ・バース60】
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー