夫は退職金制度がない会社に勤めています。今の世の中、「退職金制度」がない会社ってどのくらいあるのでしょうか?

配信日: 2025.02.26

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夫は退職金制度がない会社に勤めています。今の世の中、「退職金制度」がない会社ってどのくらいあるのでしょうか?
家族が退職金のない会社に就職している場合、老後の生活や資金を不安に感じている方がいるでしょう。実際に退職金がない会社はどの程度あるのでしょうか。
 
そこで今回は、退職金制度がない会社の割合や、設けない理由について調べてみました。退職金制度がない場合の従業員側のメリットやデメリットについてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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退職金を設けていない会社の割合

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査概況」によると、退職金を設けていない会社は全体の約24.8%です。企業規模別の退職金制度については表1の通りです。
 
表1

企業規模/退職金制度の有無 有り 無し
30人~99人 70.1% 29.5%
100人~299人 84.7% 15.1%
300人~999人 88.8% 11.1%
1000人以上 90.1% 8.8%

出典:厚生労働省 「令和5年就労条件総合調査概況」を基に筆者作成
 
退職金制度は会社規模が大きいほど設定している割合が高く、1000人以上の規模の会社と99人以下の規模の会社では約1.3倍の差がありました。
 

会社が退職金制度を設けない理由

ここでは、会社が退職金制度を設けない理由を3つ紹介します。
 

・金銭的コストがなくなる

退職金を自社で設定する場合、会計上法人税の課税対象となります。企業年金制度や共済制度を活用すれば法人税の課税対象外にはなりますが、別途掛け金の払い込みが必要です。退職金制度を設けなければこれらの支出は生じません。
 

・運用面の人的コストや手間がかからない

退職金制度には、掛け金の計算や退職給与引当金の計上など、会計上必要な手続きがあります。そのほか、中途退職者が出た場合、退職金の計算や資金繰りの検討なども必要です。
 

・退職金の資金準備が不要

退職金制度がある場合、退職者が出ると財政状態に関係なく資金を準備しなくてはなりません。複数の退職者が出た場合、資金繰りが悪化する可能性もあります。確定給付企業年金制度を利用していても運用結果によっては、不足分を支払う必要が生じます。
 
会社が退職金制度を設けないのは、管理の手間がかからずコスト削減になるためだと考えられます。
 

退職金制度がない場合の従業員側のメリット・デメリット

退職金制度がない場合、従業員側にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。考えられるメリットは以下の3点です。

●給与や賞与など報酬面の基準が高めの会社が多い
●退職金をあてにせず老後の資金を計画する意識がもてる
●退職金に関する手続きが不要

退職金制度がなければ、会社側はその分の資金を準備する必要がないため、その分同規模の会社よりも給与や賞与の水準が高い可能性があります。また、退職金を受け取るための諸手続きが不要となる点もメリットです。
 
一方で、退職金制度がない場合のデメリットは以下の通りです。

●老後の資産形成の計画・実施が必要
●家族への万が一の備えを用意しなければならない

退職金制度があれば退職直後やしばらくの生活費は確保できますが、なければ生活費のねん出をしつつ、貯蓄や資産運用する必要があります。また、退職金制度には自分が死亡した場合の死亡退職金の役割もありますが、退職金制度がなければ備えの必要性を早いうちから意識し準備が進められるでしょう。
 

退職金制度を設定していない会社は全体の約24.8%

厚生労働省実施の「令和5年就労条件総合調査概況」によると、退職金制度を設けていない会社は全体の約24.8%でした。退職金制度の有無と企業規模は比例しており、規模が大きくなるほど制度を設けている会社の割合は多くなっています。
 
退職金制度がない場合、老後の備えはすべて自分で行う必要があるため、早い段階で家族と相談したり専門家に相談したりするといいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査の概況(12ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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