現在60歳で一人暮らしですが、貯金は「500万円」しかありません。これで老後生活はやっていけるのでしょうか?

配信日: 2025.03.03

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現在60歳で一人暮らしですが、貯金は「500万円」しかありません。これで老後生活はやっていけるのでしょうか?
年齢を重ねるにつれ、老後資金への不安を感じるのは自然なことです。実際、年金だけに頼ると、毎月の生活が赤字になる可能性もあります。
 
老後資金において大切なのは、できるだけ早く老後に必要な資金をシミュレーションし、不足する場合は対策を立てて行動することです。
 
本記事では、老後の家計収支の平均や年金受給額、老後に向けた対策について解説します。老後資金が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
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60代の平均貯金額

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60代の単身世帯の平均貯金額は637万円で、貯金を含む金融資産の平均保有額は1468万円となっています。
 
図表1は、年齢別の平均貯金額です。
 
【図表1】

全世代平均 408万円
20代 65万円
30代 289万円
40代 275万円
50代 510万円
60代 637万円
70代 676万円

※平均額には金融資産を保有していない世帯も含まれます
 
出典:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]
 
図表1の結果から、60代で貯金額500万円はやや少なめといえるでしょう。

 

老後の平均的な家計収支

老後資金の準備において、平均的な家計収支を把握しておくことも大切です。把握することで、年金受給後の生活をイメージしやすくなります。
 
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2023年」によると、65歳以上の単身世帯の平均的な可処分所得は月11万4663円、支出は14万5430円で、毎月3万円以上の赤字です。年間では36万円以上の不足が発生する計算となり、その分を貯金などで補う必要があります。
 
支出を抑えたり収入が多かったりすれば、赤字を回避できる可能性もあります。 しかし、仮に平均的な収支で赤字を貯金から補う場合、約13年6ヶ月で500万円の貯金が尽きる計算になるため注意が必要です。
 
なお、65歳以上の夫婦世帯に関しても、可処分所得は月21万3042円、支出は25万959円で3万7917円の赤字となっています。
 

年金の平均受給額

年金の平均受給額を把握しておくと、65歳以降の収入計画が立てやすくなります。
 
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は14万7360円(基礎年金を含む)となっています。
 
ただし、これはあくまで平均額であり、保険料の納付期間が短い場合や、国民年金(基礎年金)のみの方は、受給額が平均より低くなるため注意が必要です。
 
なお、令和6年度の国民年金受給額(満額)は月6万8000円で、令和7年度は6万9308円となっています。
 

老後に向けてできること

老後資金に不安がある場合、今からできる対策として次の方法があります。

・節約して貯蓄を増やす
 
・働く期間を延ばす
 
・年金の繰下げ受給で受給額を増やす
 
・副業や資産運用で収入を確保する

例えば、現在60歳の場合、毎月1万円を節約して貯蓄に回せば、65歳までの5年間で60万円を貯めることができます。さらに、副業で月2万円の収入を得ることができれば、合計で180万円の貯蓄を上乗せできる計算になります。
 
また、年金の繰下げ受給を選択すると受給開始は遅くなりますが、「繰下げ月数×0.7%(最大84%)」の増額が可能です。
 
このような対策をとることで、現在よりも老後資金に余裕を持たせることができます。
 

老後に向けて今からやれることに取り組もう!

老後に必要な資金は、家庭ごとに異なります。重要なのは、自分たちの老後の収入と支出をシミュレーションし、不足がないか確認することです。不足が予想される場合は、貯蓄等で補うか、収入を増やす・支出を抑えるといった工夫が必要になります。
 
また、老後に向けて、節約・貯金・副業・資産運用など、自分に合った方法で準備を進めることも大切です。少しでも早く取り組むことで、老後生活に余裕が生まれる可能性があります。将来の不安を減らすためにも、今から計画を立て、できることから始めていきましょう。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要
厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 令和7年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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