息子の家で年金暮らしする場合、生活費をどのくらい渡したらいい?

配信日: 2025.03.09

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息子の家で年金暮らしする場合、生活費をどのくらい渡したらいい?
物価高が社会問題となるなか、年金だけでは生活が苦しいと感じている方も少なくありません。住居費や固定費などを節約するために、子どもと同居したいと考えている方もいるでしょう。
 
本記事では、年金暮らしをしている人が子どもの世帯と同居する場合に、どの程度の生活費を渡すべきかを詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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一人暮らしをする高齢者は年々増加

内閣府が公表した「令和6年版 高齢社会白書」によると、2023年(令和5年)10月1日時点の65歳以上人口は3623万人で、日本の総人口の29.1%を占めています。
 
2025年は、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」が話題となっており、2065年には日本の人口のおよそ4割が高齢者となると予想されています。
 
また同調査によると、65歳以上で一人暮らしをする人は男女共に年々増加傾向にあり、2020年(令和2年)には男性15.0%、女性22.1%であった数値が、2050年には男性26.1%、女性29.3%となる見込みです。
 
一人暮らしの高齢者が増加傾向にある一方で、子どもをはじめとする親族と同居する高齢者も増えています。同居する理由としては、認知症やけが、病気など、健康面の不安に加え、配偶者の他界、家事や育児のサポートなどが挙げられます。
 
なかには、遺族年金や厚生年金、国民年金だけでは生活できないなど、生活費に対する不安から同居に至るケースも少なくありません。
 

国民年金・厚生年金の受取金額

厚生労働省が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の受取金額は、月額平均で男性が5万9965円、女性が5万5777円、厚生年金の受取金額は、月額平均で男性が16万6606円、女性が10万7200円です。
 
配偶者や子どもの有無、加算されるケースや加入期間によって給付額は異なるため、受取金額にはかなりの個人差があります。
 

月々の生活費の平均

同居する家族の人数や年齢によっても、毎月かかる生活費は大きく変動するものです。政府が公表した消費支出の平均を参考にすれば、どの程度の支出が一般的かを判断できるでしょう。
 
総務省が公表した「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、2023年の2人以上の世帯のうちの勤労者世帯の消費支出は、1世帯あたり月平均31万8755円でした。つまり、1ヶ月の生活費は32万円程度必要であると分かります。
 
生活費の主な支出項目と、それぞれの支出の目安は表1のとおりです。
 
表1

支出項目 費用目安
住居 1万8013円
光熱・水道 2万3855円
食料 8万6554円
交通・通信 4万2838円
教養娯楽 2万9765円
保険・医療 1万4728円
家具・家事用品 1万2375円
被服及び履物 9644円
教育 1万448円
その他 4万5777円

総務省「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
年金が支給される高齢者の場合、教育費の負担はありませんが、医療費は増えていく可能性があります。同居する人数が増えるとなると、それまでかかっていた生活費よりも出費が多くなることは間違いないでしょう。
 
生活費として渡す金額を把握するためにも、家計簿をつけたり固定費を見直したりして、生活費の節約が可能かを検討することをおすすめします。
 

子どもと同居する場合の生活費はどうする?

子どもの住まいに同居する場合、親が子ども世帯に生活費としていくらかを渡していることが多いようです。
 
参考として、65歳以上の単身無職世帯の支出を確認しましょう。統計局の「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の食費は4万103円、光熱・水道費は1万4436円でした。
 
実際に渡せる金額は、経済状況や健康状態、子ども世帯の生活状況によって異なりますが、厚生年金を受け取っている方なら、1ヶ月あたり5万5000円程度を渡せば、子ども世帯の家計の足しになるでしょう。
 

子ども家族と同居する際は生活費のルールを決めよう

65歳以上の高齢者が増えた分の生活費としては5万5000円程度ですが、実際にいくら渡せるのかは、それぞれの家族の生活状況によって異なります。子どもの家族と同居する際は、同居後の家族間トラブルに発展させないためにも、生活費のルールを明確にしておいてください。
 

出典

内閣府 令和6年版高齢社会白書(全文)(PDF版)
厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省 家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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