孫が「1万円」ほどするラジコンを欲しがっています。年金暮らしで正直厳しいのですが、ねだられたら買ってあげるのが普通でしょうか?
配信日: 2025.03.11

そこで今回は、孫のためにおもちゃを買う人は多いのかなど、孫消費の実情について調べてみました。一般的なシニアの家計収支もご紹介しますので、孫消費について考える際の参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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孫におもちゃを買う人は多い? シニアの「孫消費」
ソニー生命保険株式会社が実施した「シニアの生活意識調査2023」によると、シニアが孫のために1年間で使ったお金が多かった項目は以下の通りです(複数回答)。
●おこづかい・お年玉・お祝い金:66.2%
●一緒に外食:49.7%
●衣類などファッション用品:33.4%
●おもちゃ・ゲーム:32.8%
●本・絵本:23.9%
同調査から、孫におもちゃを買う人は一定数いることが分かります。
1年間でシニアが孫のために使った平均額は10万8134円です。金額別の割合で多かったのは「5万~10万円未満」の27.5%で、「3万~5万円未満」(18.0%)と「10万~20万円未満」(14.1%)がそれに続きます。
2022年の調査と比較すると、平均額は1万1279円減少していて、物価上昇などの影響から節約意識が高まり、孫消費は縮小傾向にあるようです。
「孫消費」が家計の負担になる可能性も!? シニアの平均的な家計収支
孫のためにお金を使いたいと考えるシニアもいますが、定年後は収入が大幅に減少することが一般的であるため、家計の負担になるリスクがあります。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月あたりの実収入は平均24万4580円で、社会保険料や税金など非消費支出を差し引いた可処分所得は21万3042円でした。これに対して1ヶ月の消費支出は平均25万959円で、月に3万7916円の不足が生じています。
孫は「目に入れても痛くない」かもしれませんが、孫消費が増えると家計にとって痛手となる可能性があります。貯蓄があったり定年後も働いていたりして、お金に余裕がある場合も考えられますが、一般的には老後生活の家計収支が赤字傾向にあることを踏まえて、孫消費は予算を立てて計画的に行う必要があるでしょう。
孫から1万円ほどするラジコンをねだられたら……買ってあげるのが普通?
かわいい孫から1万円ほどするラジコンをねだられると、買ってあげたくなるかもしれません。一方で、年金暮らしで生活が苦しいときもあるでしょう。孫が欲しいものを買ってあげることが普通かどうかは、各家庭の事情によって異なります。
年金暮らしで家計収支が厳しい場合は、孫消費の予算を立てて、その範囲内でラジコンの購入を検討できるかもしれません。「おこづかい・お年玉・お祝い金」を渡す予定があれば、そこからラジコンを買うよう提案するのもよいでしょう。
孫が欲しいものは年齢によって変化することも考えられます。今は1万円ほどのラジコンでも、これからはスマートフォン・パソコン・楽器などさらに高額なものを欲しがるようになるかもしれません。今後のことも考えつつ、孫に何をどのタイミングで買ってあげるか決定する必要があります。
子どもたちが定年後の親の経済状況を知らず、余裕があると勘違いしている可能性もあるため、現状を知らせてもよいでしょう。
孫におもちゃを買ってあげるのが普通かどうかは各家庭による! 「孫消費」は予算を立てて計画的に行うことが大切
シニアの孫消費に関する調査によると、孫のためにお金を使うことで多かった項目には「おもちゃ・ゲーム」(32.8%)も含まれていて、孫におもちゃを買う人は一定数いることが分かりました。孫消費の金額は年間で平均10万8134円ですが、前年度から1万1279円減少していて、物価高などの影響で縮小傾向にあるようです。
老後生活の平均的な家計収支では、毎月3万7916円の不足が出るというデータもあるため、孫消費は予算を立てて計画的に行うことが大切です。近い将来おもちゃ以外に出費の予定がないかや、孫が欲しいものは年齢によって変化することも踏まえて、ラジコンを買ってあげるかどうか検討するとよいでしょう。
出典
ソニー生命保険株式会社 ニュースリリース(2023年度) シニアの生活意識調査2023 【シニアの孫消費】
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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