「再雇用制度」を使って定年後も仕事を続ける人は何%?給与などの条件はどのくらい変わる?
配信日: 2025.03.26

そこで今回は、再雇用制度の概要を調べてみました。制度利用時の注意点もご紹介しますので、定年後の働き方を検討する際の参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後も同じ勤務先で働ける再雇用制度とは?
高年齢者の雇用に関して、65歳まで、雇用機会の確保をしなければならないルールが定められています。定年制度がある会社では、定年年齢を60歳以上とする必要があり、定年年齢を65歳未満に設定している場合は、高年齢者雇用確保措置を実施しなければなりません。
厚生労働省によると、事業主は以下のいずれかの選択肢があります。
・65歳までの定年の引き上げ
・65歳までの継続雇用制度の導入
・定年の廃止
「再雇用制度」は継続雇用制度のひとつで、定年退職してから新たに雇用契約を結ぶ制度です。ほかにも定年で退職とせず、引き続き雇用する「勤務延長制度」があります。
継続雇用される人はどのくらいいる?
厚生労働省の「令和5年 高年齢者雇用状況等報告」によると、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの会社は99.9%であるとのことです。雇用確保措置の内訳については、以下の通りです。
・定年制の廃止:3.9%
・定年の引き上げ:26.9%
・継続雇用制度の導入:69.2%
また、60歳定年の会社に勤める人が、定年に達した際の動向については以下の通りでした。
・継続雇用者:87.4%
・継続雇用を希望しない定年退職者:12.5%
・継続雇用を希望したが継続雇用されなかった者:0.1%
同調査から、定年後も継続雇用制度を活用して、同じ会社で働き続ける人が大半を占めていることが分かります。
再雇用制度を利用する際の注意点
再雇用制度を導入している会社に勤めている場合、制度を利用する際は待遇が変化する場合がある点に注意が必要です。再雇用制度は、定年退職してから、新たに雇用契約を結ぶ制度です。そのため、雇用形態を始め、労働時間・賃金・待遇などの労働条件が変わることがあります。
例えば、仕事内容は変わらなくても、責任が軽くなるケースが多いようです。雇用形態が変わって、嘱託社員や契約社員として再雇用されるケースも考えられます。
これらに伴って、給与も定年時点の金額より減少することが考えられます。定年時の70~90%ほどといわれているようですが、会社によって異なるため、打診があったタイミングで詳細を話し合うことは大切です。
再雇用制度を利用して65歳までは働けますが、それ以降についても考えておく必要があるでしょう。現状では、70歳までの就業機会確保は努力義務となっていて、会社によって異なります。
前述の厚生労働省「令和5年 高年齢者雇用状況等報告」によると、66歳以上まで働ける制度のある会社は43.3%、70歳以上まで働ける制度のある会社は41.6%であるとのことです。
再雇用制度を利用する際は、何歳まで働けるかも確認しておくとよいでしょう。場合によっては、別の会社への再就職や個人事業主・フリーランス・起業、業務委託契約など、ほかの選択肢も検討できるかもしれません。
定年後も再雇用制度を使って同じ会社で働き続けられる! 制度利用時は労働条件が変わる場合がある点に注意
高年齢者の雇用に関して、65歳までの雇用機会の確保をしなければならないルールが定められていて、会社によっては65歳までの継続雇用制度を導入している場合があります。
そのなかでも再雇用制度は、定年後も同じ会社で働き続けることが可能です。65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの会社は99.9%で、継続雇用制度を導入している会社は69.2%です。
再雇用制度を利用する場合は、退職してから新たに雇用契約を結ぶ点に注意しましょう。雇用形態・労働時間・賃金・待遇などの労働条件が変わることがあるため、打診があったタイミングで、詳細を確認しておくことは大切です。
自身の老後プランに照らし合わせ、65歳以降も働けるかを確認することをおすすめします。場合によっては、別の会社への再就職や個人事業主など、ほかの選択肢も検討できるかもしれません。
出典
厚生労働省 高年齢者の雇用
厚生労働省 令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します 1 高年齢者雇用確保措置の実施状況(3ページ)、(参考)60歳定年企業における定年到達者の動向(6ページ)、4 66 歳以上まで働ける制度のある企業の状況(7ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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