退職金にかかる税金はどのように決まる?退職金が「3000万円」だった場合の目安を解説

配信日: 2025.03.27

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退職金にかかる税金はどのように決まる?退職金が「3000万円」だった場合の目安を解説
退職金は長年の勤労の対価として支給される福利厚生の一種です。受け取る際には税金がかかりますが、退職金には税負担を軽減するための特別な計算方法が適用されます。
 
この記事で解説するのは、退職金にかかる税金の基本的な仕組みと、退職金が3000万円だった場合の具体的な税額の目安です。さらに、税金を抑えるためのポイントや、相続税が関係するケースについても紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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退職金の税金はどのように決まる?基本的な仕組みを解説

退職金の扱いは通常の給与所得とは異なり、他の所得とは分けて「退職所得」として課税される「分離課税」です。分離課税の場合、税負担を軽減するための特別な計算方法が用いられます。
 
具体的には、退職所得控除を適用したうえで、課税対象額の2分の1を「課税退職所得金額」として計算し、所得税・住民税が課されます。
 

退職所得控除の仕組み

退職金には「退職所得控除」という優遇措置があり、勤続年数が長いほど控除額が大きくなります。計算方法は以下の通りです。
 

● 勤続年数が20年以下の場合:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
● 勤続年数が20年を超える場合:800万円+70万円 ×(勤続年数ー20年)

 

退職金にかかる税金の計算方法

課税退職所得金額は、以下の式で算出します。
 
課税退職所得金額(1000円未満切り捨て):(退職金ー退職所得控除額)÷ 2
 
この課税退職所得金額に応じて、税率と控除額が適用されます。
 

所得税額:課税退職所得金額 × 税率ー控除額
住民税額:課税退職所得金額 × 10%(一律適用)

 

退職金3000万円の場合の税額シミュレーション

勤続年数30年のケースで、退職金3000万円の税額をシミュレーションしてみましょう。
 

退職所得控除:800万円+70万円 ×(30年ー20年)=1500万円
課税退職所得金額:(3000万円−1500万円)÷ 2=750万円

 
表1の税額表に当てはめて計算すると、所得税と住民税はそれぞれ以下の税額になります。
 

所得税:750万円×23%ー63万6000円=108万9000円
住民税:750万円×10%=75万円

 
したがって、納税額は108万9000円+75万円 = 183万9000円です。
 
表1

課税退職所得金額 税率 控除額
1000円から194万9000円まで 5% 0円
195万円から329万9000円まで 10% 9万7500円
330万円から694万9000円まで 20% 42万7500円
695万円から899万9000円まで 23% 63万6000円
900万円から1799万9000円まで 33% 153万6000円
1800万円から3999万9000円まで 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

国税庁「退職金と税」を基に筆者作成
 

退職金の税金を抑えるためのポイント

退職金にかかる税金は高額になりやすいため、少しでも負担を軽減させたいものです。税金を抑えるためのポイントを解説します。
 

「退職所得の受給に関する申告書」を提出する

退職金を受け取る際、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると、源泉徴収で適切な税額が計算されるため、確定申告は不要です。申告書を提出しない場合、一律20.42%の所得税が源泉徴収されます。
 
源泉徴収の所得税:750万円×20.42%=153万1500円
 
このように、退職金受け取り時の税負担が重くなる可能性があるため注意してください。なお、提出せずに払い過ぎた所得税は、確定申告で還付を受けられます。
 

退職時期の調整

退職金を受け取るタイミングを工夫することで、税負担を軽減できるかもしれません。住民税の場合、前年1月1日〜12月31日までの所得により決まります。例えば、年末に退職すると住民税の課税対象となる期間が短くなるため、結果として税額を抑えられることがあります。
 

退職金と相続税の関係についても確認しよう

死亡後に受け取る退職金は、所得税ではなく相続税の対象です。ただし、すべての金額に相続税がかかるわけではなく、次の計算式で非課税枠が設定されています。
 
500万円 × 法定相続人の数=非課税枠
 
例えば、法定相続人が配偶者と子2人の計3人のケースでは、500万円 × 3人 = 1500万円まで非課税となり、それを超える部分に対して相続税が課されます。
 

「退職所得の受給に関する申告書」を提出して税負担を軽減させよう

勤続30年で退職金が3000万円の場合、所得税と住民税の合計額は約184万円となります。税負担を軽減するためには、「退職所得の受給に関する申告書」の提出や退職時期の調整が有効です。また、死亡後に受け取る退職金は相続税の対象となり、法定相続人1人あたり500万円まで非課税となることも押さえておきましょう。
 

出典

国税庁 退職金と税
人事院 退職手当制度の概要
国税庁 A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)
国税庁 No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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