老後は「20万円」ほどの年金をもらえそうですが、夫婦で生活できるでしょうか?
配信日: 2025.03.29

本記事では、65歳以上の夫婦の平均的な生活費をもとに、20万円の年金収入で生活が成り立つかどうかを検証します。また、老後の収入を増やす方法や支出を抑えるための工夫を解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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65歳以上の夫婦2人世帯にかかる生活費の月平均は?
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2023年」によると、65歳以上の夫婦世帯にかかる毎月の平均生活費は図表1の通りです。
図表1
食費 | 7万2930円 |
住居費 | 1万6827円 |
水道・光熱費 | 2万2422円 |
家具・家事用品 | 1万477円 |
被服・履物 | 5159円 |
保健医療 | 1万6879円 |
交通・通信 | 3万729円 |
教育 | 5円 |
教養娯楽 | 2万4690円 |
その他の支出 | 5万839円 |
合計 | 25万957円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」より筆者作成
図表1から考えると、年金額が夫婦2人で月20万円の場合、毎月の生活費をまかなうためには、5万円ほど足りなくなる可能性があります。
足りない分を貯蓄でまかなうとすると、年間で60万円ほどの貯金を切り崩すことになるでしょう。20年間では1200万円ほど必要となるため、前もって計画的に貯金を進めておくか、定年後も何らかの形で働き収入を得る必要があります。
老後の収入を増やす方法
老後に夫婦2人で生活するうえで、年金と貯蓄の切り崩しだけでは不安を感じることもあるでしょう。月20万円の年金収入で安定した暮らしを維持するには、別の収入源を確保する工夫も大切です。ここでは、老後の収入を増やす方法を3つ紹介するため、老後の生活設計に役立てましょう。
再雇用制度を利用して働く
定年を迎えた後も、継続して働くことを希望する人は少なくありません。「高年齢者雇用安定法」によって、企業は希望する社員に対して65歳までの雇用を確保する義務があり、2021年4月からは70歳までの就業機会の確保が努力義務となっています。
現在、多くの企業では再雇用制度を導入しており、定年後も同じ職場で働ける仕組みが整えられています。
ただし、再雇用後は雇用形態が変わったり給与が下がったりするケースが多いため、現役時代と同じ条件で働けるとはかぎりません。また、業務内容が変わることもあるため、自分の希望に合った働き方ができるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
年金の受給スタート時期を遅らせる
公的年金は原則として65歳から受給できますが、受給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」を活用すれば、受給額を増やすことが可能です。
年金は1ヶ月繰下げるごとに0.7%増額され、最大で75歳まで繰下げられます。75歳まで繰下げると、年金額は84%増加します。増額された年金は一生涯にわたって受け取れるため、長生きするほどメリットが大きくなるでしょう。
確定拠出年金を利用する
確定拠出年金は、掛金を自分で運用して老後に受け取る仕組みです。公的年金だけではなく、私的年金制度である確定拠出年金を利用すると、老後の資金を効率的に準備できます。
確定拠出年金の大きなメリットとして、掛金が全額所得控除の対象になったり運用益が非課税であったりすることをはじめ、受取時に税制優遇が受けられることなどが挙げられます。ただし、運用次第では元本割れのリスクがあることや、原則60歳まで資金を引き出せない点には注意が必要です。
老後の生活を安定させるなら支出を減らす取り組みも大切
老後の生活を安定させるためには、収入を増やすだけでなく、支出を抑える工夫も欠かせません。年金収入が限られているなか、日々の生活費や医療費などの負担を軽減できれば、ゆとりある生活を送れるでしょう。
まずは、支払額が大きい固定費を見直すことが大切です。通信費や光熱費などを節約し、月5000円の固定費が削減できれば、年間では6万円もの節約につながります。
固定費を大きく削減するなら、住居費の見直しも検討しましょう。賃貸物件に住んでいる場合は、家賃の安い地域へ引っ越すことで、毎月の住居費を抑えられる可能性があります。
持ち家であれば、売却することで固定資産税などの負担を軽減できますが、売却後に賃貸物件に住み替える場合は新たに家賃が発生するため、総合的にどちらが負担を抑えられるか慎重に判断することが大切です。
夫婦2人の老後生活に向けて収入源の確保や支出の削減を考えよう
老後の生活を安定させるには、年金だけに頼るのではなく、収入を増やす工夫と支出を減らす取り組みを両立させることが大切です。再雇用制度を利用して働いたり、年金の繰下げ受給を活用したりすることをはじめ、確定拠出年金を運用するなど、老後の収入を確保する方法を検討しましょう。
また、固定費の見直しも重要です。老後の資金計画をしっかり立て、限られた年金収入のなかでも安心して暮らせる環境を整えましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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