親の年金は「月8万円」程度です。これでは生活できないと思うのですが、他の人はどれくらいもらっていますか?

配信日: 2025.04.02

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親の年金は「月8万円」程度です。これでは生活できないと思うのですが、他の人はどれくらいもらっていますか?
親の年金額が想像よりも少なく「これでは足りないのではないか」と心配している人は多いのではないでしょうか。「ほかの人の受給額と比べて少なすぎるのでは?」と気になっている人もいるでしょう。
 
本記事では国の統計データをもとに、老齢年金の平均額を紹介します。また、年金だけでは老後の生活費が不足する場合の対処法もまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

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厚生年金の平均受給額は約15万円

公的老齢年金には「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金(国民年金)」の2種類があります。このうち、老齢厚生年金は会社員として厚生年金保険に加入していた人(第2号被保険者)が、老齢基礎年金に上乗せして受け取れる年金です。
 
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度末時点の老齢厚生年金の平均年金受給月額は、基礎年金部分を含めて14万7360円です。表題の「月8万円」と比べると6万円以上多い数字ですが、1ヶ月の生活資金としては決して多いとはいえないでしょう。
 

国民年金のみの人は満額でも約7万円しかもらえない

老齢基礎年金(国民年金)は、第2号被保険者のほか、自営業者や学生などの国民年金保険加入者(第1号被保険者)や配偶者の扶養に入っていた人(第3号被保険者)が、国民年金保険や厚生年金保険の加入期間に応じて受け取れる年金です。
 
厚生年金保険の加入期間がなく、受け取れる老齢年金が老齢基礎年金のみの人の場合、受け取れる年金の金額は、最大で約7万円(令和7年度は6万9308円)しかありません。
 
最大額の年金を受け取れるのは、20歳から60歳になるまでの40年間に、1度も免除や未納の月がない人です。保険料を納付していない期間がある場合は、その期間に応じて受け取れる年金額は少なくなります。
 
「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度末時点の老齢基礎年金の平均年金受給月額は5万7700円(老齢厚生年金の受給権者を含む)です。「8万円」と比べても2万円以上少なく、老齢基礎年金のみで老後の生活費をまかなうのは困難であることがうかがえます。
 

年金だけで生活するのが難しいときの対処法は?

生活費の不安なく老後生活を送るには、現役時代の早いうちに、自分の年金受給額の見込みを知ることが大切です。そのうえで、貯蓄や資産運用、私的年金(民間の年金保険、国民年金基金など)への加入など、不足分を補うための老後資金づくりをスタートする必要があるでしょう。
 
老後までに十分な資金を準備できず、年金だけで生活することも難しい場合、すぐにできる対策は、生活費の節約です。とくに、通信費や保険料などの固定費を見直してムダを省くことで、継続的に生活費をおさえられます。
 
また、健康面などに問題がなければ、老後も働いて収入を得ることも検討しましょう。老後も厚生年金に加入して働ければ、年金額を上積みすることにもつながります。
 
ただし、年金を受け取りながら働く場合は、「在職老齢年金」という制度により、老齢厚生年金の額と給料やボーナスの額に応じて年金額がカットされることがあるため注意が必要です。
 
自宅を所有している場合には、自宅を担保に生活資金を借り入れる「リバースモーゲージ」の利用を検討する方法もあります。地方自治体の社会福祉協議会や民間金融機関などが提供しており、それぞれ借入金の使途や返済方法などの条件が異なるため、内容をよく確認して利用することが大切です。
 
自身の力ではどうにもならない場合には、同居や金銭的な援助について、家族に相談してみましょう。身内からの援助も難しい場合には、生活保護を申請することが選択肢になります。自身の状況に合わせて、最適な解決策を検討しましょう。
 

年金だけで生活を維持するのは困難! 老後への備えをしっかりしよう

老齢年金は老後の収入を保障してくれる制度ですが、年金収入だけでゆとりのある生活を維持していくのは難しいケースがほとんどです。老後の生活費を十分に確保するには、不足する資金をつくるための対策を、早めに講じる必要があります。
 
年金暮らしの親などの生活資金が足りず生活の維持が難しい場合には、本人が働くことやリバースモーゲージなどの制度の活用、家族からの援助などの対策を採りましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢年金
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 令和7年度の年金額改定について
厚生労働省 私的年金制度の概要(企業年金、個人年金)
厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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