「海上保安官」を退職した後は自由に転職できる?国家公務員の再就職規制とは?

配信日: 2025.04.02

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「海上保安官」を退職した後は自由に転職できる?国家公務員の再就職規制とは?
海上保安官は海上保安庁に所属する国家公務員であるため、退職後に再就職活動をするにあたっていくつか制限が設けられていたり、届け出が義務づけられたりしています。規制に違反した場合は罰則の対象になるため、事前によく確認しておくことが大切です。
 
本記事では、国家公務員の再就職規制や届け出の必要性を詳しくご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国家公務員の再就職規制とは?

国家公務員は退職後、別の企業に就職することは禁止されていません。ただし、内閣官房内閣人事局によると、公務の公正性を証明するために、再就職にあたって次の3つの規制が設けられています。
 
1つ目は、現職の職員が営利企業などに対してほかの職員やOBを再就職させるよう要求・依頼したり、ほかの職員やOBの情報の提供、再就職ポストに関する情報提供を依頼したりすることを禁止する「あっせん規制」です。規制に違反した場合は懲戒処分の対象となるか、場合によっては3年以下の懲役が科せられる可能性があります。
 
2つ目は「求職活動規制」です。本省課長補佐級以上に相当する現職の職員が利害関係企業などに対して再就職することを要求したり、自分の情報を提供・再就職ポストに関する情報の提供を依頼したりすることが禁止されています。こちらの場合も、規制に違反した場合は懲戒処分の対象、場合によっては3年以下の懲役が科せられる可能性があります。
 
そして3つ目は、退職して営利企業などに再就職した職員OBが、再就職先にかかわる契約等事務に関して、離職後2年間は元の職場に職務上の行為を要求したり依頼したりすることを禁止する「働きかけ規制」です。
 
規制に違反して働きかけを行った場合は、10万円以下の過料の対象となり、場合によっては1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
 

再就職先の届け出が必要

国家公務員が再就職するにあたって、国家公務員法により届け出を行うよう義務づけられています。在職中に再就職の約束をした場合、目安として、再就職することを約束した日から1週間以内には、届け出をしなければなりません。
 
すでに離職している国家公務員OBであっても、管理職職員であったことがある場合は、離職後2年間、再就職した際に届け出が必要です。また、離職後2年間のうちに行政執行法人以外の独立行政法人や国ととくに密接な関係がある公益社団法人などの役員等に再就職しようとする場合も届け出が必要となります。
 
これらの届け出義務に違反した場合、現職の職員は懲戒処分の対象となり、OBは10万円以下の過料の対象となります。
 
届け出は再就職先が営利企業の場合、パートやアルバイトなど、正社員や正規職員以外の地位に就く場合でも必要です。また、内閣官房内閣人事局によれば、フリーランスとして活動する場合も、報酬の額が年間103万円を超える見込みである場合は届け出をしなければならないので、忘れないようにしましょう。
 

海上保安官から転職するメリット

海上保安官を退職後、ほかの企業や団体などに転職するメリットにはどのようなものがあるのか確認してみましょう。
 
まず、海上保安官はシフト制の場合が多く、土日祝日に出勤することもあるようです。また、海上でトラブルが発生した際は対応に当たらなければならない場合もあるため、休みのスケジュールを組みにくいと感じていた人もいるかもしれません。転職先によってはこうしたデメリットを感じることがなくなり、決まった休みを取得しやすくなるでしょう。
 
また、出勤時間が日によって変わる場合もあるため「生活リズムを整えたい」という理由で転職を検討する人もいるでしょう。海上保安官は専門性の高い職業です。転職することでほかの分野のスキルを身に着けるのもよいかもしれません。
 

退職後の再就職はできるが守らなければならない規制や届け出義務がある

海上保安官は国家公務員なので、転職する際には守らなければならない規制があったり、届け出義務があったりします。ルールをしっかり守れば自由に再就職することは可能なので、事前によく確認しておくとよいでしょう。
 
ただし、ルールを守らなかった場合は懲戒処分や罰金の対象となることもあるため、注意が必要です。
 

出典

内閣官房内閣人事局 国家公務員が知っておかなければならない「再就職に関する規制」と「再就職情報の届出制度」(3~8ページ)
内閣官房内閣人事局 転職や再就職のために求職活動をしようとする職員の方へ(3~4ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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