高齢夫婦2人の支出額「月15万円」はかかりすぎ?贅沢していないのに支出が多くなる要因とは

配信日: 2025.04.09

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高齢夫婦2人の支出額「月15万円」はかかりすぎ?贅沢していないのに支出が多くなる要因とは
「ぜいたくなんてしていないのに、どうしてこんなにお金がかかるの?」そんなふうに感じたことはありませんか? 実は、高齢夫婦2人でも、毎月の生活費が思った以上にかかるケースは少なくありません。
 
本記事では、月15万円の生活費が高すぎなのか、それとも節約しすぎなのか、平均的な支出内訳とともに解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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高齢夫婦2人の平均的な生活費

総務省統計局が発表した「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の無職夫婦2人世帯の平均消費支出は、月額25万959円です。主な支出項目の内訳は表1の通りです。
 
表1

支出項目 支出額(月平均)
食費 7万2930円
住居費 1万6827円
光熱・水道費 2万2422円
家具・家事用品費 1万477円
被服および履物費 5159円
保健医療費 1万6879円
交通・通信費 3万729円
教養娯楽費 2万4690円
その他の消費支出 5万839円

出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
これらの他にも、税金や社会保険料を含めると、総支出はさらに増加します。
 

月15万円の生活費は高齢夫婦にとって現実的か?

統計データと比較すると、月15万円の生活費は、平均的な高齢夫婦の支出よりもかなり少ないことが分かります。この金額で生活するには、さまざまな工夫や節約が欠かせません。
 
まず、食費を抑えるためには外食を控え、自炊中心の食生活を心がけることが重要です。特売やまとめ買いを活用し、安価で栄養価の高い食材を選べば、健康を保ちながら食費を節約できます。
 
また、光熱費や水道代の見直しも必要です。LED照明や省エネ家電を取り入れて電気の無駄を減らすことで、電気代を抑えられます。さらに、電力会社やガス会社を乗り換えることで光熱費全体の削減も可能でしょう。スマートフォンのプラン変更や格安SIMへの移行も、通信費の節約につながります。
 
これらの節約は一つひとつの金額こそ小さいものの、積み重ねれば大きな効果が期待できます。まずは電力会社の切り替えなど、効果の高い取り組みから始めるとよいでしょう。
 

支出が多くなる要因とは?

高齢夫婦の生活費が増加する要因として、以下の点が挙げられます。
 

(1)医療費の予期せぬ出費

年齢を重ねるにつれ、病気やけがのリスクが高まり、医療費が増加する可能性があります。特に、重大な疾患にかかると高額な医療費が発生し、家計を圧迫することがあります。
 

(2)子どもや孫への援助

子どもの生活費や孫の教育費の支援など、家族への経済的な援助が増えることがあります。これらの支出は計画外であることが多く、生活費を押し上げる要因となります。
 

(3)住宅関連費用

持ち家の場合、リフォームや修繕費が必要となることがあります。これらの費用は一度に大きな金額が必要となることが多く、計画的な資金準備が重要です。
 

(4)介護費用

自身や配偶者が介護を必要とする状態になると、介護サービスの利用や施設入居などで多額の費用が発生するかもしれません。これらの費用は長期にわたることが多く、家計に大きな影響を及ぼします。
 
これらの要因により、予期せぬ支出が発生し、生活費が増加する可能性があります。そのため、日頃からの資金計画や備えが重要となります。
 

まとめ

月15万円の生活費で高齢夫婦2人が暮らすには、平均的な支出と比べてかなりの節約が必要と考えられます。ただし、無理な節約で生活の質を下げるよりも、無理のない範囲で好きな仕事を見つけて収入を得るほうが、より充実した暮らしにつながるかもしれません。
 
現在はシニア向けの求人情報サイトも充実しています。こうしたサービスを活用して自分に合った働き方を見つければ、生活費を補いながら生きがいを持って過ごすことができるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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