氷河期世代、20年間年収300万円で将来が不安。貯金は200万円ですが老後は年金だけで暮らすのは難しいでしょうか?

配信日: 2025.04.09

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氷河期世代、20年間年収300万円で将来が不安。貯金は200万円ですが老後は年金だけで暮らすのは難しいでしょうか?
高齢社会が進み、老後に向けた資産形成が注目を集めています。資産形成はとても重要で、老後の生活の柱になるのは年金になります。しかし、氷河期世代はその年金だけで老後の生活を送れるのか、不安な方も多くいるでしょう。
 
そこで本記事では、氷河期世代の生涯年収が300万円だった場合の年金と老後の生活について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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氷河期世代年収300万円の年金

就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1990~2000年代の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った方々になります。この氷河期世代の方が社会人として20年間働きその間の年収がずっと300万円で、今後も年収300万円の場合、年金はいくら受け取れるのでしょうか。
 
日本の年金は、2階建てを基本としています。1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金となります。また、確定拠出型年金などの3階部分も加入できます。
 
厚生労働省の「年金シミュレーター」を利用し、計算してみましょう。就職氷河期世代の1975年生まれで年収を300万円と仮定し、22~65歳までを就労期間として計算した場合、65歳から受け取れる国民年金、厚生年金は65歳から年額でおよそ157万円、66歳以降は160万円でした。
 
ただしあくまでも概算なので、実際の支給額は前後します。しかしそれでも、1ヶ月あたり12万円程度の生活費になることが伺えます。
 

年金だけで生活は可能?

それでは、この年収300万円の氷河期世代の方に200万円の貯金があったとした場合、年金だけで老後生活を送れるのでしょうか?
 
答えとしては可能なのですが、相当な節約が必要で簡単ではありません。したがって、難しい部類に入るといえるかもしれません。
 
老後の生活に限らず、日常生活を送るに当たって最も重要なのは収支のバランスです。固定費等を抑え日々の支出を抑えることで、仮に年金での生活費が12万円弱だったとしても生活すること自体は可能です。
 
最も支出が大きいであろう住宅の居住費を極力抑え、保険なども最低限の加入、ランニングコストの負担の大きい車を持たない、娯楽も最低限にするなど、工夫することで生活すること等で生活自体は可能です。親等から支払いの終わった住居を譲り受けるなどすれば、そのハードルは下がるかもしれません。
 
また、貯金の200万円を年金受給開始の65歳から20年間で切り崩す場合、1年間に充てられる金額は10万円、月額では約8万3000円となります。
 
しかし、貯金は入院などのいざというときの緊急資金として、備えておくことが妥当かもしれません。ただし、生涯年収が平均500万円あっても年金支給額は年額200万程度といわれていますから、年収が多かったとしても年金だけで豊かな老後生活を送ることは、そもそも簡単ではないといえるでしょう。
 

まとめ

本記事では氷河期世代の年収300万円を例に、老後生活について解説しました。年金だけで生活するのは可能なものの、難しい老後生活になる可能性が高いといえます。
 
ただし現役時代の年収が大きくても、年金自体は現役時代の収入と比較すると少ないです。老後に備えて計画的に資産を築くか、老後も現役時代程でなくても労働収入を得ることが大切になるといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 就職氷河期世代の方々への支援策
厚生労働省 年金シミュレーター
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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