定年後の生活が不安です。受け取れる年金は「月13万円」ほどですが、生活できるでしょうか?

配信日: 2025.04.10

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定年後の生活が不安です。受け取れる年金は「月13万円」ほどですが、生活できるでしょうか?
定年退職を間近に控えると、老後生活が現実味を帯びてきます。老後生活における収入源のひとつは年金ですが、年金収入だけで老後生活を送れるのか気になる方は多いでしょう。
 
そこで本記事では、老後生活における平均的な支出額について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後における支出額の平均

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上の夫婦のみの無職世帯と、65歳以上の単身無職世帯における支出の月平均額を表1にまとめました。
 
表1

65歳以上の夫婦のみの無職世帯 65歳以上の単身無職世帯
消費支出額 25万959円 14万5430円
非消費支出額 3万1538円 1万2243円
合計額 28万2497円 15万7673円

出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
表1における非消費支出額とは、直接税と社会保険料を合わせたものです。
 
受け取れる年金が月13万円の場合、65歳以上の単身無職世帯における支出の月平均額が年金収入を上回るため赤字になります。夫婦2人世帯においても同様です。平均額とはいえ、年金収入だけで生活することは困難といえるでしょう。この場合は貯蓄を切り崩すか、年金以外の収入源を確保するなどの対策が必要です。
 
ただし、実際の支出額が年金による収入額を下回るのであれば、年金だけで生活することも可能かもしれません。
 

再就職や再雇用という選択肢

年金収入だけでは生活費を賄えない場合、そのほかの収入源を確保する必要があります。老後生活において収入源を確保する方法はいくつかありますが、代表的なものとして再就職と再雇用が挙げられます。
 
再就職とは勤めていた企業を定年退職後、別の企業へ就職することです。転職のイメージに近いでしょう。それに対して、再雇用とは勤めていた企業を定年退職してから、同じ企業と改めて雇用契約を結んで働くことを指します。
 
定年退職後も働けるのであれば、労働の対価として安定した収入を得られます。生活費を賄うために多くの人が選べる手段といえるでしょう。
 
ただし、再就職と再雇用にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
 

再就職のメリット

再就職のメリットは次の通りです。
 
環境を一新できる
再就職では今までと違う職場に就職するため、人間関係などの環境が一新されます。新たなコミュニティーを形成したい方にとっては、メリットになるでしょう。
 
新たな職種にチャレンジできる
再就職先によっては、今までと全く異なる業務内容に触れることもあります。挑戦したい職種や業務がある場合、再就職は良い機会になるかもしれません。
 

再就職のデメリット

再就職のデメリットは次の通りです。
 
仕事を一から覚え直す必要がある
今までと異なる企業で仕事を始めるので、新しく覚えるべき仕事は多くなりがちです。これまで培ってきた知識や経験をある程度は生かせるでしょうが、再就職先によっては未経験の業務が続くこともあるかもしれません。
 
就職活動を行う必要がある
再就職はいわば転職であるため、就職活動を行う必要があります。人手不足の昨今はシニア向けの求人も多く取り扱われていますが、状況次第では再就職がかなわないこともあるでしょう。再就職には成功しても、希望通りの条件にはならないことも少なくありません。
 

再雇用のメリット

再雇用のメリットは次の通りです。
 
慣れた職場で働ける
再雇用の場合、定年退職前と同じ職場で働き続けることが多いでしょう。環境が大きく変わることは少なく、慣れている人間関係や業務内容のなかで仕事ができます。環境が変わることにストレスを感じる方にとっては、重要なポイントです。
 
仕事を探す手間がない
再就職とは異なり、再雇用の場合は新たな職場を探す必要がありません。ブランクがあるなどの理由で、就職活動がおっくうに感じる方にとっては大きなメリットになるはずです。
 

再雇用のデメリット

再雇用のデメリットは次の通りです。
 
今までの契約とは異なる可能性がある
新たに雇用契約を結ぶため、状況次第では雇用形態が変わる可能性があります。それに伴い、今までとは業務内容や給与などが異なることも少なくありません。再雇用後の待遇などについては、契約を結ぶ前に会社側とよく話し合っておきましょう。
 

年金収入が月13万円では生活は厳しい可能性がある

総務省統計局の資料によると、65歳以上の単身無職世帯における支出の月平均額は15万7673円とされています。月の年金収入が13万円の場合は支出額を下回って赤字になるため、年金収入だけで生活するのは難しい可能性があるでしょう。年金収入だけで生活ができない場合は、年金以外の収入源を確保するなどの対策が必要です。
 
定年退職後において、年金以外で収入を得る方法に再就職と再雇用があります。労働の対価として安定的な収入を得られますが、それぞれメリットとデメリットがあります。定年退職後に再就職や再雇用を考えている場合は、自身の状況や得手不得手を見極めながら検討するとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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