昨年父が亡くなり「一人暮らしの母」が心配です。「月5万円」の仕送りを検討しているのですが、「親への仕送り」はいくらくらいが平均的なのでしょうか?
今回のケースでは父親が亡くなり、一人暮らしとなった母親に「月5万円」の仕送りを検討している方が、親への仕送り額の相場について気になっているようです。
本記事では、親への仕送り額の平均や親に仕送りしている世帯の割合、高齢者世帯の生活状況を解説します。
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目次
親への仕送りは「2万~6万円未満」の世帯が過半数を占めている
厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」を基に、親への仕送りのみの世帯における仕送り額とその割合を表1にまとめました。
表1
| 仕送り額 | 割合 |
|---|---|
| 2万円未満 | 約12.2% |
| 2万~4万円未満 | 約29.9% |
| 4万~6万円未満 | 約20.4% |
| 6万~8万円未満 | 約6.3% |
| 8万~10万円未満 | 約4.0% |
| 10万円以上 | 約18.8% |
| 不詳 | 約8.4% |
出典:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」を基に筆者作成
親への仕送り額は2万~6万円未満が過半数を占めています。最も多い仕送り額は2万~4万円未満の約29.9%です。一方、10万円以上の高額な仕送りをしている世帯も一定数存在しています。1世帯当たりの平均仕送り額は5万6000円となっていました。
親に仕送りしている世帯はわずか2%程度にとどまっている
同じく厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、親への仕送りのみの世帯は全体の約1.9%です。親、子両方への仕送りのある世帯を合わせても約2.1%です。世帯主の年齢別に親への仕送りのみの世帯の割合を表2にまとめました。
表2
| 世帯主の年齢 | 全体に対する割合 |
|---|---|
| 19歳以下 | 0% |
| 20~29歳 | 約3.1% |
| 30~39歳 | 約2.6% |
| 40~49歳 | 約3.0% |
| 50~59歳 | 約3.4% |
| 60~69歳 | 約2.4% |
| 70~79歳 | 約0.4% |
| 80歳以上 | 約0.2% |
出典:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」を基に筆者作成
20代から60代までの世帯の2~3%程度が親に仕送りをしている結果となっており、最も多い50代でも約3.4%にとどまっています。
高齢者世帯の総所得金額のうち「6.0%」を仕送り等が占めている
厚生労働省の同調査によると、高齢者世帯1世帯当たりの平均所得金額(318万3000円)のうち、6.0%を「仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得」が占めています。また、公的年金や恩給を受給している高齢者世帯のうち、公的年金や恩給が総所得の100%を占めている世帯は44.0%でした。
さらに、高齢者世帯の18.1%は生活が「大変苦しい」、30.2%は「やや苦しい」と回答しています。全世帯と比較するとわずかに低い割合ではあるものの、約半分の世帯が経済的に困っていると考えられます。
一方、高齢者世帯のうち、貯蓄が「ある」と回答した世帯は80.7%、貯蓄が「ない」と回答した世帯は11.3%でした。1世帯当たりの平均貯蓄金額は1603万9000円となっていますが、「人生100年時代」や「老後2000万円問題」が話題に上ることがあるように、ゆとりのある老後生活を送るうえで十分な金額とは言い切れないかもしれません。
まとめ
親への仕送り額は2万~6万円未満が過半数を占めており、最も多い金額帯は2万~4万円未満、1世帯当たりの平均仕送り額は5万6000円でした。一方、親に仕送りをしている世帯は全体の2%程度で、最も多い50代でも約3.4%にとどまっています。
高齢者世帯の総所得金額のうち「仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得」が占める割合は6.0%です。貯蓄額にもよりますが、高齢者世帯の半数近くは生活が苦しいと回答しているため、自分の家計状況を踏まえつつ仕送りをするのが望ましいでしょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 国民生活基礎調査/令和4年国民生活基礎調査/世帯 表番号57 仕送りをしている世帯数-1世帯当たり平均仕送り額,仕送り額階級・仕送り先別
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 国民生活基礎調査/令和4年国民生活基礎調査/世帯 表番号56 世帯数,仕送りの有-仕送り先-無・世帯主の年齢(10歳階級)別
厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 結果の概要 II 各種世帯の所得等の状況(11、12、16ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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