「年金暮らし」の夫婦の生活費ってどれくらいですか?「趣味に使えるお金」は少なくなりますか?

配信日: 2025.07.05

この記事は約 3 分で読めます。
「年金暮らし」の夫婦の生活費ってどれくらいですか?「趣味に使えるお金」は少なくなりますか?
老後を年金で暮らしている人はたくさんいます。近年は年金額が引き上げられているものの、物価上昇の影響もあり、生活が楽になった実感は得にくい状況です。
 
では、年金暮らしでは生活費はどのくらいかかるのでしょうか。今回の記事では、年金暮らしの夫婦の生活費と、趣味に使えるお金はどのくらいあるのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金の種類

年金には国民年金と厚生年金の2種類があります。
 
国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入するものです。納付額は一定で、納付した月数が同じであれば、誰もが同じ金額の年金をもらうことができます。
 
一方、働いている人が納付する年金が厚生年金です。正社員だけでなく、パートやアルバイトの場合でも要件を満たせば厚生年金に加入しなければなりません。保険料は給与によって異なり、賃金が高い人ほど納付額は高くなります。
 
年金は若いうちから納めるもので、日本に住んでいれば原則としてもらえます。定年まで働き、会社を退職した人は国民年金と厚生年金の両方がもらえるので、給付額は高くなります。
 

年金はいくらもらえる?

厚生労働省年金局によると、現在の年金受給者は令和5年度末時点で6745万人に上っています。
 
また、令和5年度の厚生年金の平均年金月額は14万6429円、国民年金の平均年金月額は5万7700円です。令和元年度よりも厚生年金は約2000円、国民年金は約1700円程度上がっていますが、物価高騰の現在において生活は厳しい状況であるといえるでしょう。
 

65歳以上の夫婦にかかる生活費

総務省の2023年の家計調査報告(家計収支編)によると、65歳以上の無職世帯の収入は以下のとおりです。

・65~69歳の世帯…29万6122円
 
・70~74歳の世帯 26万7508円
 
・75歳以上の世帯…23万9727円

また、65歳以上の無職世帯の支出は以下のとおりです。支出と収入の差はごくわずかで、家計にはあまり余裕がないことが分かります。

・65~69歳の世帯…29万3903円
 
・70~74歳の世帯…26万8095円
 
・75歳以上の世帯…23万4521円

では、生活費はどのくらいの割合でかかっているのか、詳細を見ていきます。
 
最も消費割合が高いのは、食料の29.1%となっています。次にその他支出、交通・通信費、教養娯楽という結果が続いています。
 
コメ価格の高騰や、野菜や卵などの値上げが原因で、食費にかかる負担が増えているといえるでしょう。そのため、年金暮らしの場合はさらに厳しい状況となっています。
 

趣味に使えるお金は少ない?

年金収入だけでは生活費でほぼ使い切ってしまい、自由に使えるお金はあまり残らないのが現状です。年金のほとんどが生活費として消えれば、趣味に充てられる余裕はなくなるでしょう。
 
年金暮らしの生活で趣味を楽しみたい場合は、別の方法でお金をまかなう必要があります。1つの例として、再雇用制度で働く方法があります。
 
再雇用制度とは、定年を過ぎても本人が働きたい場合に続けて就労できる制度です。会社によっては給与が下がったり、役職が変わったりする場合もありますが、一定の収入を得ることができます。再雇用制度の利用のほかにも、若いころの貯金を取り崩したり、趣味で作ったものを販売して収入を得たりする方法もあります。
 

豊かな老後生活を送るために

物価の上昇や年金額の変動により、年金暮らしの方にとっては負担を感じやすい状況が続いています。年金だけに頼る暮らしには限界もありますが、工夫次第で趣味や楽しみを維持することは可能です。将来に備えて早めの準備をしながら、自分らしい豊かな老後を目指しましょう。
 

出典

厚生労働省 一緒に検証!公的年金
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集