定年後にパートを始めた母が、「職場の人間関係がきつい」とこぼします。月「5万円」の収入のために、ストレスを抱え続ける必要はあるのでしょうか?
そこで本記事では、月5万円の収入が実質いくら残るのか(税金・社会保険・年金の影響)と、人間関係ストレスを減らす具体策、辞めどきの見極め方について解説します。
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月5万円の価値は「手取り」と「負担」を並べて考える
まず、月5万円は年間60万円です。食費や光熱費の一部をまかなえたり、趣味や医療費の備えになったりと、現実的に役立つ金額です。
一方で、人間関係ストレスは長引くと、睡眠の乱れや体調不良につながりやすく、通院や薬で支出が増える可能性があります。つらさが強いほど、外食や衝動買いなどストレス解消の出費が増えて、稼いだのに残らない状態にもなりがちです。
ここで一度、パート勤務を続けることで得ているものと、引き換えに失っているものを整理しましょう。お母さまがパートで得たいのは、お金だけでしょうか。社会とのつながりや生活リズム、やりがいが目的なら、まずは職場内で負担を減らす工夫を試すのが現実的です。
それでもつらさが続くなら、同じ月5万円でも相性のよい職場に変えるだけで続けやすくなります。目的がお金中心なら、ストレスが少ない仕事に変えることで、同じ収入でも心の負担を減らせる可能性があります。
税金・社会保険・年金の影響で手取りはどれくらい変わる?
月5万円程度の収入なら、税金で手取りが大きく減るケースは多くありません。パート収入は給与所得で、所得税は控除の仕組みがあるため、給与収入が一定額以下なら課税されません。国税庁の案内では、条件を満たすと給与収入160万円以下なら所得税がかからない、と説明されています(他所得がない場合)。
年60万円で他に大きな所得がなければ、所得税はかからないケースが多いでしょう。
ただし、注意したいのは社会保険です。一定の条件を満たすと、短時間でも健康保険や厚生年金の加入対象になり、保険料負担が発生します。日本年金機構は、週20時間以上、月額賃金8万8000円以上などの条件を示しています。
月5万円なら「月8万8000円以上」に届かないことが多いですが、残業や契約変更で条件が変わる可能性もあります。まずは雇用契約書と給与明細で、労働時間と賃金を確認しておくと安心です。
また、年金を受け取っている場合、働くと年金が減る仕組み(在職老齢年金)が気になるかもしれません。厚生労働省は、見直し後の基準額が2026年4月から65万円になると説明しています。
月5万円の賃金だけで直ちに影響が出る場面は多くありませんが、年金の種類や他の収入との合計で変わるため、気になるときは年金事務所などで確認すると確実です。
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人間関係ストレスを減らす工夫と、辞めどきのサイン
人間関係のつらさは、仕事内容のきつさより消耗しやすいものです。まず試したいのは、「接触時間を減らす」「衝突点を減らす」工夫です。
例えば、問題のある人と重ならないシフトにする、担当を固定して会話量を減らす、休憩の取り方を変えるなど、業務上の調整として上長に相談できると改善することがあります。相談は感情より事実で、「どの時間帯・どの場面がつらいか」を短く伝えるのがコツです。
それでも改善しないなら、辞めどきのサインを決めましょう。例えば、「眠れない日が続く」「出勤前に動悸がする」「休日も気分が戻らない」などは、体が出しているメンタルヘルスの危険信号です。
健康を崩すと、月5万円以上の損失になりかねません。いじめやパワハラが疑われる場合は、外部相談も使えます。厚生労働省の総合労働相談コーナーは、いじめや嫌がらせ、パワハラなどを含む労働問題を相談できると案内しています。
もし、働くこと自体をやめるのが不安な場合は、転職を検討しましょう。例えば、清掃や品出し、短時間の事務補助など、人と関わる機会が少ない仕事であれば、同じ収入でも精神的な負担が軽くなりやすいです。
収入を守りつつ、心をすり減らさない選択をしよう
月5万円は、家計の助けになります。ただし、収入を得るために強いストレスを抱え続ける必要はありません。
税金・社会保険・年金の影響を一度整理し、実質の手取りとストレスのつり合いを見直してみてください。それでも改善しない場合は、上司や人事、外部の相談窓口も活用しながら職場や働き方を変えて、無理なく月5万円を得られる形にしましょう。
収入は大切ですが、健康と安心はもっと大切です。月5万円を“我慢料”にせず、続けられる形に作り替えていきましょう。
出典
国税庁 No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
厚生労働省 在職老齢年金制度の見直しについて
厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
