老後資金、守りたい妻vs増やしたい夫。退職金「1800万円」を夫は「投資に回す」と言いますが…60代からの運用は本当に必要でしょうか?
今回は、老後資金の現実的な使い方を考えてみましょう。
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目次
60代からの運用は「守りながら増やす」が鉄則! 退職金1800万円を全額投資してはいけない理由
定年退職により受け取った退職金1800万円については、その後の老後生活を見据えた活用が重要となります。「少しでも資産を増やしたい」と考える一方で、「元本を減らしたくない」と感じるのも自然な考え方といえるでしょう。
こうした中で留意したいのは、60代以降の資産運用においては、退職金の全額を一度に投資に充てる方法はリスクが高く、慎重な判断が求められる点です。
60代以降は、現役時代のように損失を労働収入などでカバーすることが難しくなります。高齢期においては、「資産の取り崩し」と「安定的な運用」のバランスが重要です。
まずは、退職金1800万円の中から、向こう5年~10年以内に使う予定がある資金(リフォーム、車の買い替え、予備費など)を差し引き、残った「当面使う予定のない余裕資金」の範囲内で運用を検討しましょう。
インフレで目減りする「現金の価値」。なぜ、反対派の妻も「少しの運用」を検討すべきなのか?
「投資は怖いから銀行預金が一番」と考える方にとっても、無視できないリスクがあります。それが「インフレ(物価上昇)」です。銀行に預けているだけでは、数字上の金額は減りませんが、物価が上がれば「そのお金で買えるもの」が少なくなり、実質的に資産が目減りしているのと同じ状態になります。
家計の安定を考える際には、「株式」や「投資信託」などを資産構成(ポートフォリオ)の一部として組み入れ、資産価値の維持を意識することもひとつの考え方です。
一方で、投資をまったく行わない場合には、物価上昇による資産価値の目減り、いわゆるインフレリスクの影響を受けやすい側面がある点についても理解しておく必要があるでしょう。
夫婦の対立を解消する「資産の色分け」。生活防衛資金を確保し、NISAなどを賢く活用する具体策
意見が食い違う夫婦におすすめしたい解決策が、資産を「使う」「守る」「増やす」の3つに色分けすることです。
(1)使うお金:日々の生活費や数年内のイベント費(現金・普通預金など)
(2)守るお金:病気や介護などに備えた予備資金(定期預金など)
(3)増やすお金:10年以上使う予定のない余剰資金(投資信託など)
特に「増やす」部分については、NISA(少額投資非課税制度)の活用が有効です。一定の条件のもと、売却益や配当金に税金がかからないため、効率的な運用が可能です。
例えば、1800万円のうち300万円から500万円程度を、NISAを活用したつみたて投資に充て、残りを預貯金などの安全資産として保有するといった方法も考えられます。
このような資産配分であれば、資産を増やしたいという考えと、元本を守りたいという考えの双方に配慮した、いわば夫婦間の折衷的な選択肢として検討することもできるでしょう。
退職金1800万円は「夫婦の安心」のための資金。対話を通じて二人三脚のマネープランを
退職金の運用を巡る夫婦の対立は、お互いが「将来の安心」を真剣に考えているからこそ起こるものと考えられます。1800万円という大金は、どちらか一方の意思で動かすのではなく、まずはこれからの長いセカンドライフで「いつ、いくら必要なのか」というキャッシュフロー表を2人で作ってみることから始めてください。
夫側は資産を増やしたいという意向から過度にリスクを取ることを避け、妻側も資産運用の必要性について一定の理解を持つことが重要です。こうした双方の考えを踏まえて導き出されるバランスの取れた資産配分は、結果としてリスクを抑えた運用につながると考えられます。
退職金は、夫婦で長年にわたり築いてきた大切な資産です。その資金を適切に管理し、守りながら活用していくことで、今後の生活の安定や安心感の確保につながるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
