退職した知人が「ハローワークで手続きすれば、年金をもらう年齢でも失業手当は普通にもらえる」と話していました。私は制限があるイメージだったのですが、実際はどうなっているのでしょうか?

配信日: 2026.05.25
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退職した知人が「ハローワークで手続きすれば、年金をもらう年齢でも失業手当は普通にもらえる」と話していました。私は制限があるイメージだったのですが、実際はどうなっているのでしょうか?
「年金をもらえる年齢になっても、失業手当は問題なく受け取れる」と聞くと、本当にそんなことが可能なのか気になる方も多いでしょう。特に60歳以降は、年金と雇用保険の制度が複雑に関わるため、「両方とも受け取れるのか」「年金が停止されるのか」がわかりにくくなりがちです。
 
実際には、年齢や受給している年金の種類によって、失業手当との関係は変わります。場合によっては失業手当を受け取っている間、年金が停止されるケースもあります。一方で、一定条件を満たせば両方を受け取れる場合もあります。
 
そこで今回は、年金を受け取る年齢になった人が失業手当を受給できるのかについて、制度の仕組みをわかりやすく解説します。
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65歳未満は「失業手当」と年金が同時に受け取りにくい

まず知っておきたいのは、65歳未満か65歳以上かで制度が大きく異なる点です。
 
60歳から64歳までの間に退職した場合、条件を満たせば雇用保険の「基本手当」、いわゆる失業手当を受け取れます。ただし、この期間に「特別支給の老齢厚生年金」を受給している場合、失業手当を受け取る間は年金の一部または全部が支給停止になる仕組みがあります。
 
特別支給の老齢厚生年金とは、本来65歳から受け取る老齢厚生年金を、一定の生年月日に該当する人が前倒しで受給できる制度です。現在は段階的に支給開始年齢が引き上げられており、対象者は限られています。
 
例えば、63歳で会社を退職し、ハローワークで求職の申し込みをして失業手当を受け始めた場合、その期間は特別支給の老齢厚生年金が停止されることがあります。
 
これは「働く意思があり、失業中の生活保障として雇用保険を受ける人」と、「老後の生活保障として年金を受ける人」の、制度間の重複給付を調整するための仕組みです。
 
そのため、「年金も失業手当も普通にもらえる」という話をそのまま信じるのは注意が必要です。特に64歳以下では、両方を満額受け取れないケースが多くあります。
 

65歳以上になると制度が変わる

一方で、65歳以上で退職した場合は扱いが変わります。65歳以上の人は、通常の失業手当ではなく、「高年齢求職者給付金」を受け取る仕組みになります。これは一時金として支給される制度で、雇用保険の加入期間に応じて、30日分または50日分がまとめて支給されます。
 
例えば、雇用保険の加入期間が1年以上ある65歳以上の人なら、失業手当日額の50日分が一括で支給されます。この高年齢求職者給付金は、老齢年金との併給が可能です。つまり、65歳以上であれば、年金を受け取りながら給付金も受給できるケースがあります。
 
そのため、知人の方が言っていた内容は、65歳以上のケースであれば間違いではない可能性があります。
 
ただし、「失業手当を長期間受けながら年金も同時にもらう」というイメージとは少し異なります。65歳以上では、通常の失業手当のように数か月にわたって支給されるのではなく、一時金として支給される点が特徴です。
 

年齢によって「受け取れる給付」と有利な退職時期が変わる

年金を受け取る年齢でも失業手当を受給できるかどうかは、65歳未満か65歳以上かによって大きく異なります。
 
64歳までに退職した場合は、通常の失業手当の対象になる可能性があります。給付日数が比較的長くなる場合もありますが、その間は「特別支給の老齢厚生年金」が一部または全部停止されるケースがあります。
 
一方、65歳以降に退職した場合は、通常の失業手当ではなく「高年齢求職者給付金」が支給されます。これは一時金として支給される制度で、老齢年金との併給が可能です。そのため、


・再就職まで時間がかかりそうな人
・年金を止めたくない人
・退職後も働く予定がある人

などによって、有利な退職タイミングは変わります。
 
例えば、生活費を長めに確保したい場合は64歳までの退職が有利になるケースがあります。一方で、年金を止めたくない場合は、65歳以降に退職した方が受け取り方を調整しやすいこともあります。
 
ただし、退職時期によっては、健康保険料や税金、退職金などにも影響が出るため、「失業手当だけ」で判断しないことが大切です。
 
「年金をもらいながら失業手当も受け取れる」という話は一部正しいものの、実際には年齢や給付の種類によって扱いが異なります。退職前にハローワークや年金事務所で確認しておくと安心でしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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