母が退職後の生活について、「失業手当をもらってから年金に切り替えるのが一番いいのでは?」と考えています。ただ、夫は「手続きの順番を間違えると損するかも」と心配です。失業手当と年金は、どう受け取り方を考えるべきなのでしょうか?

配信日: 2026.05.25
この記事は約 4 分で読めます。
母が退職後の生活について、「失業手当をもらってから年金に切り替えるのが一番いいのでは?」と考えています。ただ、夫は「手続きの順番を間違えると損するかも」と心配です。失業手当と年金は、どう受け取り方を考えるべきなのでしょうか?
退職後、「まずは失業手当を受け取り、その後に年金をもらえば安心では?」と考える人は少なくありません。特に60歳以降で退職した場合は、雇用保険の失業手当と老齢年金の関係が複雑で、「どちらを優先すべきなのかわからない」と悩むケースも多いでしょう。
 
実際には、65歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受けている場合、失業手当を受給すると年金が調整されます。手続きの順番や受け取り方を誤ると、本来受け取れたはずの年金が停止されることもあるため注意が必要です。
 
一方で、自分の年齢や働く予定の有無によっては、失業手当を優先したほうが生活費を確保しやすいケースもあります。この記事では、失業手当と年金の基本的な関係や、損をしにくい考え方、手続きで気を付けたいポイントについてわかりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

失業手当と年金は同時に満額もらえない場合がある

60歳以降に退職した場合、多くの人が気になるのが「失業手当と年金を同時に受け取れるのか」という点です。結論から言うと、65歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受けている人は、失業手当を受給すると年金の一部または全部が停止される場合があります。
 
これは、「働く意思があり、再就職活動をしている人に支給される失業手当」と、「老後の生活保障として支給される年金」は、制度上の目的が異なるためです。そのため、両方を同時に満額受け取ることは基本的にできません。
 
例えば、63歳で会社を退職し、特別支給の老齢厚生年金を受け取れる人が失業手当の申請をした場合、ハローワークで求職の申し込みをした月の翌月分から、老齢厚生年金が支給停止となるのが一般的です。
 
ただし、停止されるのは主に「老齢厚生年金」の部分であり、老齢基礎年金は通常、失業手当との調整対象にはなりません。また、65歳以降の老齢基礎年金と老齢厚生年金については、通常の失業手当との調整は行われません。
 
そのため、「とりあえず両方申請すれば得」と考えるのではなく、自分が何歳で、どの年金を受給する段階なのかを確認することが大切です。
 

失業手当を優先したほうがよいケースとは?

退職後も再就職を考えている場合は、年金より失業手当を優先したほうが、受給額が多くなるケースがあります。なぜなら、失業手当は現役時代の賃金を基準に計算されるため、人によっては年金より受給額が高くなるケースがあるためです。
 
特に、定年退職直後で収入が急に減る時期は、生活費への不安も大きくなります。失業手当を受けながら次の仕事を探せば、焦って条件の悪い仕事に就くリスクも減らせるでしょう。
 
また、再就職に向けて生活基盤を整えながら求職活動を進めたい人にとっても、一定期間の生活費を確保できる点は大きなメリットです。
 
一方で、すぐに再就職する予定がなく、当面は年金を中心に生活したいと考える人の中には、失業手当を受けない選択をするケースもあります。失業手当を受けるには、ハローワークで求職の申し込みを行い、継続的に求職活動を続ける必要があるためです。
 
例えば、再就職への意欲はあるものの、「しばらく時間をかけて今後の働き方を考えたい」という人にとっては、定期的な求職活動が負担に感じられることもあります。そのため、制度の内容だけでなく、自分の生活設計や体力面なども踏まえて判断することが大切です。
 

手続きの順番を間違えないために確認したいポイント

失業手当と年金は、手続きのタイミングによって受給状況が変わるため、事前確認が非常に重要です。
 
特に注意したいのが、ハローワークで求職の申し込みを行った時点で、日本年金機構へ情報提供が行われる点です。「まだ失業手当は受け取っていないから年金も止まらないだろう」と考えていると、想定外に年金が停止されることがあります。
 
また、支給停止となった老齢厚生年金は、そのまま受け取れなくなるケースもあるため、「失業手当の総額」と「停止される年金額」を比較することが大切です。
 
さらに、雇用保険の加入期間や退職理由によって、失業手当の日数や金額も変わります。自己都合退職か会社都合退職かによって給付開始時期も異なるため、事前にハローワークで確認しておくと安心です。
 
年金や雇用保険の制度は改正や運用変更が行われることがあるため、民間サイトなどの古い記事だけで判断するのは注意が必要です。最終的には、日本年金機構やハローワークなど公的機関の最新情報を確認すると安心です。
 

失業手当と年金は「自分の働き方」に合わせて選ぶことが大切

退職後の生活設計では、「失業手当と年金のどちらが得か」を単純に比較するだけでは不十分です。再就職を目指すのか、完全に引退するのかによって、最適な選択は変わります。
 
再就職を希望するなら、失業手当を活用しながら仕事探しを進めることで、生活費の不安を減らしながら次の働き方を考えられます。一方で、今後は年金生活を中心にしたい場合は、失業手当を受給しない選択をし、年金を安定して受給する方法が合っていることもあります。
 
大切なのは、「周囲がこうしているから」ではなく、自分たちの生活費、健康状態、今後の働き方に合った選択をすることです。制度を正しく理解したうえで、必要に応じて年金事務所やハローワークへ相談すれば、将来の不安も減らしやすくなるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 yumobile
FF_お金にまつわる悩み・疑問