64歳の夫が会社を辞め、妻に「年金開始まで失業手当でつなげばいいのでは?」と言われています。生活設計としては分かりやすいですが、実際にその通り受け取れるとは限らないのでしょうか?

配信日: 2026.05.25
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64歳の夫が会社を辞め、妻に「年金開始まで失業手当でつなげばいいのでは?」と言われています。生活設計としては分かりやすいですが、実際にその通り受け取れるとは限らないのでしょうか?
64歳で退職を考えている人の中には、「65歳から年金を受け取れるなら、それまで失業手当で生活したい」と考える人も多いでしょう。
 
しかし、雇用保険制度は65歳を境に内容が変わり、退職日によって受け取れる給付の種類や金額が異なります。場合によっては、一般的な失業手当とは別の制度が適用されるケースもあるため注意が必要です。
 
特に64歳で退職する場合は、タイミング次第で条件が変わることもあるため、年金との関係も含めて事前に確認しておきましょう。この記事では、64歳で会社を辞めた場合の失業給付の仕組みや、65歳以降との違い、老齢年金との関係について分かりやすく解説します。
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64歳で退職すると「失業手当」を受け取れる可能性がある

会社員として働いている人が退職した場合、一定の条件を満たせば雇用保険から失業給付を受けられます。一般的には「失業手当」と呼ばれていますが、正式には「基本手当」です。
 
64歳で退職した場合、原則として通常の失業給付の対象になります。受給するには、ハローワークで求職の申し込みを行い、「働く意思と能力があること」が必要です。
 
つまり、「しばらくゆっくりしたい」「もう働く気はない」という状態では、原則として失業給付の対象にはなりません。失業給付は、あくまで再就職を支援する制度だからです。
 
また、自己都合退職の場合は給付制限がかかることがあります。以前より制度は緩和されていますが、それでも一定期間は給付を受けられないケースがあります。そのため、退職後すぐにお金が入るとは限りません。
 
さらに、受給できる日数も人によって異なります。雇用保険の加入期間や退職理由によって90日、120日、150日など差があります。長年勤務していた場合でも、必ず長期間受け取れるわけではない点には注意が必要です。
 

65歳を過ぎると「高年齢求職者給付金」に変わる

失業給付で特に注意したいのが、「65歳になる前に退職するか、後に退職するか」という点です。
 
64歳で退職した場合は、通常の基本手当の対象になる可能性があります。一方で、65歳を過ぎてから退職すると、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」という制度に変わります。
 
この高年齢求職者給付金は、通常の失業手当とは仕組みが異なります。基本手当のように数か月にわたって受け取るのではなく、一時金としてまとめて支給されるのが特徴です。
 
例えば、雇用保険の加入期間が1年以上ある場合は50日分、1年未満なら30日分が一括で支給されます。毎月継続的に受け取れるわけではないため、「65歳までの生活費を長期間カバーする」というイメージとは異なる場合があります。
 
そのため、「失業手当をもらいながら65歳まで過ごそう」と考えている人は、退職日によって制度が大きく変わることを理解しておく必要があります。
 
特に誕生日の前後は注意が必要です。雇用保険制度では、65歳の誕生日の前日を基準に扱いが変わるため、退職日によって受給内容が変わる可能性があります。迷った場合は、退職前にハローワークへ相談しておくと安心です。
 

老齢年金との関係にも注意が必要

失業給付を考える際は、老齢年金との関係も確認しておきたいポイントです。65歳前に受け取る「特別支給の老齢厚生年金」を受給している人は、失業給付を受ける間、年金の一部または全部が停止される場合があります。
 
例えば、「失業手当も年金も両方もらえる」と思っていたとしても、実際には年金が止まり、想定より収入が増えないケースがあります。そのため、退職後の生活費を計算するときは注意が必要です。
 
一方、65歳以降の老齢基礎年金や老齢厚生年金については、基本的に高年齢求職者給付金との同時受給が可能です。ただし、制度は変更されることもあるため、最新情報を確認することが重要です。
 
また、退職後には健康保険や住民税の負担も発生します。会社員時代は給与から自動で差し引かれていましたが、退職後は自分で納付する必要があります。
 
特に住民税は前年の所得をもとに計算されるため、退職後に収入が減っても負担が重く感じることがあります。「失業給付があるから大丈夫」と考えていても、実際には思ったより手元にお金が残らないケースもあります。
 

退職時期を含めて早めに生活設計を考えることが大切

64歳で退職し、「65歳まで失業手当でつなぐ」という考え方は、一見すると分かりやすい方法です。しかし、実際には年齢や退職日、再就職の意思などによって、受け取れる制度や金額が変わります。
 
特に65歳を境に雇用保険制度が変わる点は重要です。64歳で退職するのか、65歳以降まで働くのかによって、受給方法が大きく異なるため、事前確認は欠かせません。
 
また、失業給付だけでなく、年金、住民税、健康保険料なども含めて総合的に考えることが大切です。退職後に「思ったよりお金が足りない」と困らないためにも、早めに収支を試算しておくと安心できます。
 
不安がある場合は、ハローワークや年金事務所、社会保険労務士などに相談する方法もあります。制度を正しく理解したうえで、自分たちに合った退職時期や生活設計を考えることが、老後の安心につながるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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