定年後「年金22万円」なら、夫婦で“余裕のある生活”ができると思ったのに…FPに「80歳で貯金なくなりますよ」と言われ衝撃! 50代「年収700万円」の普通の会社員なのにナゼ!? 甘い見通しの落とし穴
しかし、その「なんとかなる」という見通しには、思わぬ落とし穴が潜んでいる可能性があります。本記事では、年金月22万円の家庭が「80歳で貯金が底をつく」と言われる理由と、今から備えるべき「家計のダウンサイジング」について解説します。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
「月22万円の年金」で安心するのは危険? 甘い見通しの落とし穴
現役時代に年収700万円前後で働いてきた会社員(夫)と専業主婦の夫婦の場合、将来受け取れる年金の合計額は「月に約22万円」が1つの目安となります。
しかし、総務省の最新の家計調査によると、高齢無職夫婦の1ヶ月の平均的な生活費(消費支出)は「約26万4000円」となっています。
もし、老後の収入が「月22万円の年金のみ」だった場合、平均的な生活を送るだけで「毎月約4万4000円の赤字」が発生する計算です。つまり、特別なぜいたくをしていなくても、年間で50万円以上、20年間では1000万円を超える貯金を取り崩さなければならないのがリアルな実態なのです。
さらに注意したいのは、この生活費はあくまで「日常的な生活」を送るためのお金であり、ここに含まれない「大きな出費」がさらに家計を圧迫する可能性がある点です。
80歳で貯金が底をつく! 3つの「想定外の出費」
退職金などで2000万円程度の貯金があったとしても、毎月の赤字に加えて大きな出費が重なり、80歳前後で資金が枯渇してしまうケースは少なくありません。その原因となる3つの出費を見ていきましょう。
物価高による生活費の増加(インフレリスク)
現在、私たちの生活を直撃している物価高ですが、これが老後も続いた場合、現在の生活水準を維持するために必要な金額はさらに膨らみます。年金額は物価に応じて改定されますが、「マクロ経済スライド」という仕組みにより、物価の上昇に年金額の増加が完全には追いつかないのが現実です。
マイホームの修繕費と維持費
持ち家なら老後の住居費は安心と思われがちですが、建築から15年から20年が経過すると、外壁塗装や屋根の修繕、水回りのリフォームなどが必要になる可能性が高まります。これらを合計すると数百万円単位の出費になることが多く、老後の貯金を大きく減らす要因となります。
医療費と介護費用
年齢を重ねるにつれ、医療費の負担は確実に増加します。また、公益財団法人生命保険文化センターの最新の調査によると、介護にかかる費用の平均は、初期費用が約47万円、月々の費用が約9万円、介護期間の平均は55ヶ月となっています。
これらを計算すると、1人あたり約542万円(47万円+9万円×55ヶ月)の介護費用がかかることになり、夫婦2人になれば1000万円を超える可能性もあるのです。
老後破綻を防ぐ! 今すぐできる「家計のダウンサイジング」
こうした「想定外の出費」による老後破綻を防ぐためには、収入が安定している50代のうちから「家計のダウンサイジング(縮小)」を行うことが不可欠です。
現役時代の年収が700万円あった家庭は、知らず知らずのうちに生活水準が高くなっている傾向があります。しかし、定年退職を迎えてから急に生活費を削ることは非常に困難です。
まずは、通信費や生命保険料などの「固定費」を徹底的に見直しましょう。また、車の保有台数を減らしたり、日々の買い物習慣を変えたりして、月々の生活費を「年金収入の範囲内」に近づける努力を今から始めることが重要です。
まとめ
年収700万円の会社員が受け取る「月22万円の年金」は、決して少ない額ではありません。しかし、平均的な生活費が約26万4000円かかる現状では、毎月約4万4000円の赤字が発生します。これに、住宅の修繕や介護費用などの「想定外の出費」が重なれば、80歳前後で貯金が底をつく危険性は十分にあります。
定年後の生活を現実的に見据え、50代のうちから家計のダウンサイジングを進めておくことが、ゆとりある老後を守るための最大の防御策となるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要
公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査(2025年1月発行)
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
