定年祝いに夫が「1泊2日で“ななつ星”に乗りたい」と言います。老後に毎月-4万2434円不足すると考えると、約100万円の出費は不安です。私は考えすぎなのでしょうか?
一方で、旅行費が高額になると、老後資金から出してよいのか迷う場面もあります。退職後は収入や支出のバランスが変わるため、特別な支出は慎重に考えたいところです。
そこで本記事では、定年退職の記念にななつ星へ乗る場合の費用感や、老後資金から旅行費を出してもよいか判断するポイントについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
ななつ星の旅行費は夫婦でいくらかかる?
「ななつ星in九州」は、九州を巡る豪華列車の旅です。車内での食事や宿泊、沿線での体験などが含まれる特別な旅行であり、一般的な国内旅行より費用はかなり高くなります。
直近の募集では、2026年9月~2027年2月出発分の旅行代金が、2名1室利用時の1人あたり1泊2日で70~95万円、3泊4日で135~185万円と案内されていました。夫婦2人で参加する場合、1泊2日で140~190万円、3泊4日で270~370万円ほどかかる計算です。
ただし、この募集はすでに受付を終了しています。次回は、30期にあたる2027年3~9月運行分の申し込み受付が、2026年10月頃に始まる予定です。実際に検討する際は、最新の募集内容や旅行代金を公式サイトで確認しましょう。
夫婦で百数十万円以上かかると聞くと、「高すぎる」と感じる方もいるでしょう。ただし、定年退職の記念として一度だけ行く旅行であれば、毎月の生活費や毎年の旅行費とは分けて考えることも大切です。注目したいのは旅行費の高さではなく、支払ったあとも老後の生活に無理が出ないかどうかです。
老後資金から出してよいかは「生活費」と「予備費」で判断する
老後資金から旅行費を出してよいかを考えるときは、まず生活費を確認しましょう。年金などの収入だけで毎月の生活費をまかなえる家庭もあれば、貯蓄を取り崩す家庭もあります。
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2025年」によると、65歳以上の夫婦無職世帯では、月平均の実収入が25万4395円、消費支出が26万3979円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万2850円でした。
実収入からこれらの支出を差し引くと、毎月4万2434円の不足が出る計算です。仮に毎月4万2000円を貯蓄から取り崩す場合は、年間で約50万円、20年で約1000万円が必要になります。さらに、医療費や介護費、住宅の修繕費、家電の買い替え費用も考えておきたいところです。
そのため、ななつ星の費用を出す前に、まず「今後の生活費」「急な出費に備えるお金」「使ってもよいお金」を分けてみましょう。例えば、生活費と予備費を残しても数百万円以上の余裕があるなら、退職記念旅行に使う選択も検討しやすくなります。
一方、旅行費を出すと生活費の取り崩しが不安になる場合は、コースを短くする、時期を変える、別の旅行と比べるなどの工夫が必要です。
退職記念旅行は一度きりの支出として考える
老後のお金は、節約だけを考えすぎると息苦しくなることがあります。定年退職の記念旅行は、長く働いてきたことへの区切りであり、夫婦で元気に出掛けられる時期にしかできない体験でもあります。
ただし、「今回だけだから」と考えずに費用を使うと、その後の家計に影響が出ることがあります。そこで、ななつ星の費用は生活費とは別に「特別支出」として扱いましょう。旅行代金のほかに、自宅から出発地までの交通費や前泊代、お土産代、旅行保険料なども見込んでおくと安心です。
そのうえで、旅行後も手元資金に十分な余裕が残るのであれば、定年退職の記念として特別な体験を選ぶ意味はあります。ななつ星の旅をきっかけに、夫婦で「何歳までにどんな旅行をしたいか」を話し合えば、これからの暮らしをより楽しむための計画も立てやすくなるでしょう。
ななつ星の費用は老後資金とのバランスを見て判断しよう
ななつ星は高額な旅行ですが、定年退職の記念として一度だけ楽しみたいのであれば、老後の生活費や予備費を確保したうえで、余裕資金から支払う方法もあります。
旅行費を支払ったあとに生活費や予備費が不足すると、退職後の暮らしに影響が出る可能性があります。そのため、ななつ星の費用を出す前に、旅行後も必要な資金が手元に残るかを確認することが重要です。
まずは年金収入、毎月の支出、貯蓄額を整理し、今後必要な費用を大まかに把握することから始めます。そのうえで余裕資金から出せる場合は、ご主人の希望を前向きに検討してもよいでしょう。老後資金は守るだけでなく、夫婦の時間を豊かにするためにも使うものです。無理のない予算を決めれば、安心して特別な旅を楽しみましょう。
出典
九州旅客鉄道株式会社 JR九州 ななつ星 in 九州
九州旅客鉄道株式会社 JR九州 ななつ星 in 九州 29期秋冬コース
九州旅客鉄道株式会社 JR九州 ななつ星 in 九州 30期(2027年3月~9月運行分)のお申込み受付開始予定について
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
