お隣の高齢夫婦は、年金生活なのに毎年「海外旅行」へ行っています。うちの親は節約ばかりですが、年金額にはそんなに差が出るものなのでしょうか?

配信日: 2026.05.31
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お隣の高齢夫婦は、年金生活なのに毎年「海外旅行」へ行っています。うちの親は節約ばかりですが、年金額にはそんなに差が出るものなのでしょうか?
同じ年金生活でも、実際の暮らしぶりには大きな差があります。その光景を見て、「年金ってそんなに違うものなの?」と不安になる人も少なくないでしょう。
 
実際、日本の公的年金は、現役時代の働き方や収入などによって受給額が大きく変わる仕組みです。本記事では、年金制度の仕組みと老後格差の実態を見ていきます。
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国民年金と厚生年金で生じる格差の正体

お隣の高齢夫婦は優雅な生活を送っているようにみえるのに、うちの両親は節約ばかり……というような格差は、単なる印象ではなく、日本の年金制度の構造から生じる数字の差に裏付けられている可能性があります。
 
厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、会社員などが加入する厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は約15万1000円となっています。一方、自営業者などが加入する国民年金受給者の平均年金月額は約5万9000円です。
 
夫婦2人の世帯で考えた場合、現役時代に共に正社員として長く勤めていた共働き夫婦であれば、世帯合計で月額30万円を超える年金を受け取っているケースも考えられます。
 
これに対し、夫婦の一方が自営業でもう一方が専業主婦(主夫)だった世帯では、2人合わせても12万円程度の可能性があります。この時点で月額18万円以上の大きな開きが生じます。
 
また、同じ厚生年金であっても、現役時代の給与額や加入期間によって受給額は大きく変動します。
 

年金額を最大84%増やす仕組み

同じようなキャリアを歩んできたはずなのに年金額に差がある場合、受給開始時期の選択が影響している可能性があります。現在の年金制度では、原則65歳からの受給を遅らせる繰下げ受給を行うことで、受け取る年金額を一生涯増額させることが可能です。
 
年金の受給を1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ増額され、上限である75歳まで繰り下げた場合、65歳受給開始時に比べて受給額は最大84%もアップします。夫婦でこの制度を利用し、受給開始まで就労で生活をつないでいたのであれば、受給開始後のキャッシュフローには大きな余裕が生まれるでしょう。
 

年金額だけで決まらない! 老後資金のゆとりを左右する退職金と企業年金の有無

年金以外に、お隣の夫婦が持っている可能性がある資産として、退職金と企業年金が挙げられます。公的年金はあくまで生活のベースを支えるものですが、海外旅行のような支出は、現役時代の蓄えや企業独自の年金制度から捻出されているケースが考えられます。
 
退職金の金額は、学歴や企業規模などによって大きく異なります。このまとまった資産を投資信託などで運用しながら、その分配金を旅行代金に充てているのであれば、公的年金を取り崩すことなく優雅な生活を送ることが可能かもしれません。
 
また、一部の企業では、公的年金に上乗せして給付される企業年金制度を導入しているケースがあります。さらに、個人で加入するiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する人もいるでしょう。
 
これらは、税制上の優遇を受けながら、老後資金を効率的に準備できる制度です。老後にゆとりのある世帯は、現役時代からこうした私的年金を活用してきた可能性があります。
 

まとめ

高齢夫婦が毎年海外旅行へ行ける理由は、現役時代の就労形態による厚生年金額の多さや、繰下げ受給を選択したことによる受給額の底上げ、そして退職金や私的年金といった準備の差にあると考えられます。
 
大切なのは、他人と比較するだけでなく、公的な仕組みを正しく理解した上で、自分たちが望む老後のライフスタイルに見合った備えを着実に進めていくことなのです。
 

出典

厚生労働省年金局 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II. 厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III. 国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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