専業主婦だった母が「私は年金を払っていないから、老後は子どもに頼るしかない」と言っています…。うちもカツカツなのですが、仕送りしたほうがよいでしょうか?
しかし、日本の年金制度には、配偶者の扶養に入っている専業主婦(主夫)でも年金を受け取れる仕組みがあります。この記事では、専業主婦(主夫)の年金制度の基本や、親子間の扶養義務の範囲について分かりやすく解説します。
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第3号被保険者なら自身で保険料を納めていなくても年金が受け取れる可能性がある
「私は年金を払っていない」と母親から聞き、将来の生活や自分への負担について不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、母親が会社員の配偶者に扶養されていた「専業主婦」であれば、実際には年金を受け取れる可能性が高いでしょう。
日本の年金制度には「第3号被保険者」という区分があります。これは、厚生年金や共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者を指します。
最大の特徴は、本人に保険料の負担義務がなく、配偶者が加入する年金制度全体で負担しているとみなされる点です。つまり、自分で保険料を納めていなくても「国民年金を納めた期間」としてカウントされています。
親への仕送りはどこまで必要? 民法上の扶養義務の考え方を確認
親から「老後は子どもに頼るしかない」と言われると、重い責任を感じてしまうものですが、自分たちの生活を犠牲にしてまで仕送りをする必要はないでしょう。民法第877条には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められていますが、この義務には段階があります。
親子間の扶養義務は、自分の生活を維持したうえで、余力がある範囲で助ければよいというものです。自分たちの家計が「カツカツ」であるならば、経済的な援助を強制されることはありません。
無理な仕送りを続けることで、自身の老後資金が底をつけば、将来お子さんに同じ苦労をさせる「負の連鎖」を招く要因になり得ます。「できないことはできない」と線引きをすることは、家族を守るための正当な判断です。
“カツカツ”な家計を守るための対策
もし、母親の年金額が少なく、生活が困窮する懸念がある場合は、子どもを頼る前に公的な支援制度を活用することも検討しましょう。
注目すべきは「年金生活者支援給付金制度」です。厚生労働省によると、この制度は消費税率の引き上げ分を活用し、年金を含めた所得が一定基準以下の高齢者を支援する制度です。
例えば、老齢基礎年金を受給している場合、保険料納付済期間に応じて算出された「老齢年金生活者支援給付金」が月額の年金に上乗せして支給されます。
また、最終的な手段として「生活保護」も視野に入ります。生活保護は、資産や能力を活用してもなお最低限度の生活が維持できない場合に受けられる権利であり、親族の扶養は保護に優先されるものの、強制ではありません。
まずは親のねんきん定期便などを確認し、足りない分は公的制度の活用も検討しましょう
老後の不安を解消するためには、具体的な数字を把握することから始める必要があります。母親が「年金を払っていない」と言っているのは、納付した記憶がないだけで、実際には第3号被保険者として記録されている可能性が十分にあります。
まずは、ねんきん定期便を確認するか、日本年金機構の「ねんきんネット」で加入実績と将来の受取見込額を正確に把握しましょう。
出典
日本年金機構 国民年金の第3号被保険者制度のご説明
e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第四編 親族 第七章 扶養 (扶養義務者)第八百七十七条
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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