退職金が入ったから安心と思っていたら、国民健康保険料と住民税で貯金がどんどん減っています。定年1年目は“思ったよりお金が出ていく年”なのでしょうか?
ただし、定年退職後すぐの時期は、想像以上に支出が増えることがあります。特に注意したいのが、国民健康保険料と住民税です。会社員時代は給与から天引きされていたため、負担を強く意識しにくいものですが、退職後は自分で支払う場面が増えます。
では、定年1年目は本当に「思ったよりお金が出ていく年」なのでしょうか。本記事で、理由と対策を見ていきましょう。

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定年1年目はなぜお金が出ていきやすい?
定年1年目に貯金が減りやすいのは、退職後の収入が減る一方で、会社員時代の収入をもとにした支払いが残りやすいためです。
会社員のころは、住民税や社会保険料が給与から差し引かれていたため、実際にどのくらい負担しているのかを意識しにくい面がありました。そのため、手取り額を基準に生活費を考えていた人ほど、退職後に届く納付書を見て「こんなに払うのか」と驚きやすくなります。
また、退職後は給与がなくなり、年金や貯金で生活する人も増えます。ただし、税金や保険料は、退職後の収入だけを見て決まるわけではありません。住民税や国民健康保険料の計算には、前年の所得が使われることがあるため、現在の収入が減っても、現役時代の収入を基準にした請求が来る場合があるのです。
さらに、退職金が入ると預金残高は一時的に増えるため、気持ちに余裕が生まれやすくなります。ただし、そのお金は長い老後生活を支える大切な資金です。旅行やリフォーム、車の買い替えなどに使ってしまうと、あとから税金や保険料の支払いが重なり、想定より早く貯金が減って不安を感じることがあります。
国民健康保険料と住民税が高く感じる理由
退職後に負担を感じやすい代表的な支払いが、国民健康保険料と住民税です。国民健康保険料は、市区町村ごとに計算方法が異なりますが、多くの場合、前年の所得や加入者数などをもとに決まります。
そのため、退職前まで給与収入が多かった人は、退職後に収入が減っていても、しばらくは高めの保険料になることがあります。
住民税も同じように、前年の所得をもとに課税されます。そのため、退職して収入が減ったあとでも、退職した年やその翌年に、現役時代の所得に対する住民税を支払うケースがあります。
会社員時代は毎月の給与から少しずつ差し引かれていたため、負担を意識しにくいものですが、退職後に納付書で支払うと、金額が大きく感じられやすいでしょう。
一方で、退職金は給与とは別の「退職所得」として扱われます。勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、原則として源泉徴収だけで課税関係が終了します。ただし、個別の状況によって扱いが変わる場合もあるため、不安があれば自治体や税務署に確認すると安心です。
定年退職後の貯金を守るために確認したいこと
まず確認したいのは、退職後の健康保険の選び方です。退職後は、国民健康保険に加入する方法のほか、条件を満たせば会社の健康保険を任意継続する方法や、家族の扶養に入る方法もあります。
どれが有利かは、前年所得や家族構成、住んでいる自治体によって変わります。退職前後に保険料を試算しておくと、予想外の支出を抑えやすくなります。
次に、納付書が届いたら放置しないことも大切です。支払いが難しい場合、そのままにすると延滞金がかかる可能性があります。
ただし、自治体によっては、一定の事情がある人に対して減免や納付猶予を認めるケースも見られます。特に倒産・解雇・雇い止めなど会社都合の退職などでは、国民健康保険料が軽減される場合が多いので、早めに相談しましょう。
また、退職金をすべて自由に使える資金と考えないことも重要です。退職後1~2年分の税金や保険料、生活費、医療費を大まかに書き出し、先に取り分けておくと安心できます。生活費用の口座と老後資金の口座を分けておけば、日々の支出と将来の備えを区別しやすくなり、貯金の減り方も把握しやすくなります。
定年1年目は「税金と保険料の山」を越える年と考えよう
定年1年目は、思ったよりお金が出ていきやすい年です。収入が減っているのに、国民健康保険料や住民税は現役時代の所得をもとに計算されることがあるため、負担が重く感じられます。
ただし、定年1年目の負担はずっと続くものではなく、“一時的な山”ともいえます。だからこそ、健康保険の選択肢を比べたり、自治体の軽減制度を確認したりして、早めに備えておくことが大切です。
あわせて、納付時期を家計に組み込んでおけば、急な支払いに慌てにくくなります。退職金についても、使う前に税金や保険料の支払い分を分けておくと安心です。定年1年目を落ち着いて乗り越えられれば、その後の家計管理もしやすくなるでしょう。
出典
国税庁 退職金と税
厚生労働省 国民健康保険の保険料・保険税について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー




