再雇用で給与が「月18万円」に激減! でも住民税と社保で「8万円」も引かれ、手取りはたった“10万円”!? 再雇用者が直面する「前年所得の呪い」とは? FPが教える“手取りの守り方”

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再雇用で給与が「月18万円」に激減! でも住民税と社保で「8万円」も引かれ、手取りはたった“10万円”!? 再雇用者が直面する「前年所得の呪い」とは? FPが教える“手取りの守り方”
60歳で定年退職を迎え、そのまま同じ会社で「再雇用」として働き続ける人は増えています。しかし、再雇用後初めての給与明細を見て、あまりの手取りの少なさに言葉を失う人は少なくありません。
 
給与が「月18万円」に激減したにもかかわらず、そこから税金や社会保険料が「8万円」も引かれ、手取りが「10万円」になってしまう……なぜそんなことが起きるのでしょうか。本記事では、定年後の再雇用者が直面する「前年所得の呪い(のろい)」と、手取りを守るための対策をFPが解説します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

給与は激減しても税金はそのまま!?「前年所得の呪い」の正体

なぜ、月給18万円から8万円もの大金が天引きされるのでしょうか。最大の原因は「住民税」の計算方法にあります。
 
住民税は、その年の収入ではなく、「前年の所得(1月~12月)」をベースに計算され、翌年の6月から天引きがスタートする仕組みです。つまり、60歳で定年退職して給与が大きく下がっても、再雇用1年目の住民税は「現役時代の高い年収」を基準にした金額が請求されます。
 
仮に定年退職前の年収が600万円だった場合、毎月の住民税は2万~3万円ほどになります。月給18万円に対してこの負担がのしかかるため、手取りが大きく目減りしてしまうのです。
 

社会保険料の落とし穴! 手続きを怠ると高額天引きが続く

住民税に加えて重くのしかかるのが、健康保険料や厚生年金保険料といった「社会保険料」です。通常、給与が大きく下がった場合、社会保険料もそれに合わせて安くなります。
 
しかし、給与が下がってから実際に保険料が下がるまでには、原則「約4ヶ月」のタイムラグが生じます。特別な手続きをしない限り、再雇用後もしばらくは「現役時代の高い給与」をベースにした社会保険料が引かれ続けてしまいます。
 
住民税とこの高い社会保険料が重なることで、「引かれる額が合計8万円」という事態が起きるわけです。
 

FPが指南! 定年後の「手取り」を守る2つの対策

こうした手取りの激減を防ぐには、事前の準備と制度の活用が欠かせません。
 

「同日得喪(どうじつとくそう)」の手続きを会社に依頼する

社会保険料のタイムラグを防ぐ方法として、「同日得喪」という制度があります。60歳以上で退職した直後に同じ会社で再雇用される場合、一度退職してその日のうちに再加入したとみなすことで、再雇用された月からすぐに「下がった給与」に合わせた保険料を適用できる制度です。
 
会社側から案内されることが多いですが、見落としを防ぐためにも定年前に自分から担当部署へ確認しておきましょう。
 

「高年齢雇用継続給付」の申請を忘れずに

60歳以降の賃金が、60歳時点の賃金に比べて75%未満に下がった場合、要件を満たせば「高年齢雇用継続給付」を受け取ることができます。給与の低下率に応じてハローワークから給付金が支給されるため、下がった手取りを補う助けになります。
 
なお、2025年4月から給付率が段階的に縮小されているため、申請前にハローワークで最新の支給条件を確認することをおすすめします。
 

まとめ

再雇用1年目は、収入が減る一方で税金が高止まりするため、家計にとって最も苦しい時期になります。
 
「前年の高い年収に対する住民税が引かれる」という事実をあらかじめ把握し、生活防衛資金を少し多めに残しておくことが大切です。同日得喪や高年齢雇用継続給付といった制度もうまく活用しながら、定年後の家計を守っていきましょう。
 

出典

日本年金機構 2-8:60歳以上の方を、退職後1日の間もなく再雇用したとき
厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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