年金「月8万円」で暮らす母は、毎月2回「映画館」に行くのを楽しみにしています。姉は「年金生活なのにぜいたく」と言いますが、老後の娯楽費として高すぎるのでしょうか? 老後の家計を確認
しかし、老後の生活では家計管理だけでなく、日々の楽しみや生きがいを持つことも大切です。実際に、ほかの高齢者はどのくらい娯楽にお金を使っているのでしょうか。
本記事では、総務省統計局の家計調査データをもとに、65歳以上の単身無職世帯の家計状況を確認しながら、年金月8万円で映画館に月2回通うことが老後の娯楽費として高すぎるのかを考えていきます。
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老後に映画館へ月2回行くのは本当にぜいたく?
年金が月8万円しかないと聞くと、「映画館に通う余裕はないのでは」と感じる人もいるかもしれません。しかし、映画鑑賞そのものは必ずしも高額な趣味ではありません。
一般的な映画館のシニア料金は1回あたり1100円~1300円程度です。仮に1回1200円として計算すると、月2回の映画鑑賞にかかる費用は2400円です。年金8万円に対して約3%にあたります。
もちろん、映画館までの交通費や飲食代が加われば支出は増えます。それでも、月に数千円程度で楽しめる娯楽と考えれば、旅行や高額な買い物と比べて特別ぜいたくとは言い切れません。
むしろ、老後は外出機会が減りやすく、人との交流や生活の楽しみが少なくなる傾向があります。定期的に映画館へ出掛けることは、気分転換や社会とのつながりを保つきっかけにもなるでしょう。
大切なのは、「娯楽費があるかどうか」ではなく、「家計全体の収支が成り立っているかどうか」です。
65歳以上の単身無職世帯の娯楽費はどのくらい?
老後の娯楽費の目安を知るために、公的な統計を確認してみましょう。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入は月13万1456円、消費支出は月14万8445円となっています。また、消費支出のうち「教養娯楽」に使われる支出は月1万6132円でした。
教養娯楽費には映画鑑賞だけでなく、旅行、スポーツ観戦、習い事、書籍購入、動画配信サービスなども含まれます。そのため、映画館に月2回通うための2000~3000円程度の支出は、平均的な高齢単身世帯の娯楽費と比べても大きな負担とはいえないでしょう。
ただし、今回のケースでは年金収入が月8万円です。平均的な高齢単身世帯の実収入より少ないため、ほかの支出とのバランスを確認することが重要になります。
例えば、持ち家で家賃負担がない場合や、自炊を中心にして食費を抑えている場合は、映画鑑賞費を無理なく捻出できる可能性があります。一方で、家賃や医療費の負担が大きい場合は、家計全体を見直す必要があるかもしれません。
老後の家計は人によって大きく異なるため、単純に収入額だけで判断するのではなく、収支全体を確認することが大切です。
娯楽費は金額よりも家計とのバランスが重要
老後の家計を考える際、「娯楽費は無駄だから削るべき」と考える人もいます。しかし、生活費だけにお金を使い続ける生活では、楽しみがなくなり、生活の満足度が下がる可能性があります。
例えば、毎月2400円の映画鑑賞をやめた場合、年間の節約額は約2万9000円です。決して小さな金額ではありませんが、その代わりに外出する機会や趣味の時間を失うことになるかもしれません。
映画館へ行くために身支度を整え、外出し、新しい作品に触れることは、生活にメリハリを与えます。また、友人との会話のきっかけになるなど、金額だけでは測れない価値もあります。
もちろん、毎月赤字が続いている場合や、生活費を削らなければならない状況であれば、支出の見直しは必要です。その場合でも、映画館を完全にやめるのではなく、シニア割引やサービスデーを利用するなど、負担を抑えながら楽しむ方法を検討するとよいでしょう。
老後の娯楽費は「いくら使うか」ではなく、「家計に無理がない範囲で続けられるか」が重要なポイントです。
まとめ
映画館のシニア料金を利用して毎月2回映画館へ行く場合、映画代は月2000~3000円程度になることが一般的です。総務省統計局の家計調査でも、65歳以上の単身無職世帯は月平均1万6132円を教養娯楽費に充てており、娯楽を楽しむこと自体は特別な支出ではありません。
もちろん、年金月8万円という収入水準では、住居費や食費、医療費などとのバランスを考える必要があります。しかし、家計に無理がなく、本人にとって映画鑑賞が大きな楽しみになっているのであれば、一概に「ぜいたく」とはいえないでしょう。
老後の生活では節約も大切ですが、毎日を前向きに過ごすための楽しみも同じくらい重要です。家計を確認したうえで無理のない範囲で趣味を続けることが、充実した老後生活につながるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2025年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
