母の介護費用として、私だけが毎月「5万円」を負担。兄は「近くに住んでいないから仕方ない」と言いますが、正直もう限界…兄弟で費用を分担しないのは不公平ではないでしょうか? 親の介護費用の考え方を確認
本記事では、介護費用の基本的な考え方や親の資産の活用方法に加え、兄弟間で負担について話し合う際に確認しておきたいポイントについて解説します。
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目次
介護費用の平均は月約9万円
親の介護が始まると、日々のケアだけでなく経済的な負担も重くのしかかります。母親の介護費用として毎月5万円もの支援となると、経済的にも精神的にも限界を感じてしまうのは当然のことです。
まず知っておきたいのは、親の介護にかかる一般的な費用の目安です。公益財団法人生命保険文化センターが発表した2024年度の「生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」によると、介護に要した費用のうち、月額費用の平均は約9万円となっています。
また、住宅改造や介護ベッドの購入といった初期費用(一時的な費用)の平均は約47万円です。毎月5万円という負担は、世間の平均から見ても大きな割合を占めていることが分かります。介護費用については、まず親自身の年金や貯蓄などを活用することが基本的な考え方とされています。
もし現在、母親の年金口座や預貯金の額を確認していないのであれば、まずは母親自身の資金で介護費用をどれだけ賄えるかを明確にしましょう。親の財布から支払う形にシフトできれば、ご自身の負担を直接的に減らすことが可能です。
近くに住んでいなくても義務はある! 民法で定められた兄弟姉妹の「扶養義務」の基本
兄弟姉妹が近くに住んでいないからといって、法的には費用の分担を拒む理由にはなりません。
日本の民法第877条には、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と明確に定められています。つまり、子どもである以上、長男や次男、あるいは同居・別居に関わらず、すべての兄弟姉妹が親を扶養する義務を等しく負っているのです。
介護において、この扶養義務には、大きく分けてふたつの側面があるとされています。ひとつは直接介護を行うなどの「身体的・精神等援助」、もうひとつは介護費用を仕送りなどで支える「経済的援助」です。
遠方に住んでいて身体的な介護(介護の現場を手伝うことなど)が物理的に難しいのであれば、その分、経済的な負担(費用の分担)を多く担うのがむしろ自然な考え方といえます。
「遠くにいるから関係ない」ではなく、「遠くにいて実務ができないからこそ、お金で支える」という視点を持ってもらうことが大切でしょう。
毎月5万円の不公平を解消する! 兄と介護費用を円満に分担するための3つの解決ステップ
兄弟姉妹間の不公平感を解消し、毎月の介護費用を分担するためには、感情的にぶつかるのではなく、客観的な事実を基に話し合いを進めることが重要です。次の3つのステップを試してみてください。
ステップの1つ目は「介護家計簿」の作成です。毎月何にいくら使っているのか、領収書やレシートを整理し、ご自身が負担している5万円の内訳を誰が見ても分かるように可視化します。
2つ目は、そのデータを基にした「家族会議」の実施です。「お金が足りなくて困っている」という事実を数字で見せ、具体的にいくら負担してほしいのか(例:毎月2万5000円ずつ折半するなど)を提案します。
3つ目のステップとして、どうしても話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の「扶養請求調停」を利用する手段もあります。
これは、裁判所の調停委員が間に入り、兄弟それぞれの収入や生活状況を考慮した上で、互いの合意を目指した提案および助言を行う手続きです。法的な解決手段があることを知っておくだけでも、交渉を進める際の安心材料のひとつになるでしょう。
1人で抱え込まずに「限界」を伝えることが、家族の未来を守る第一歩
介護はいつまで続くか予測が立たないからこそ、1人だけが費用や負担を抱え続ける状況には注意が必要です。
現在の負担が大きいと感じているのであれば、家族間で役割や費用負担について話し合い、無理のない体制を整えることが大切といえるでしょう。兄弟に対して「もう限界であること」を包み隠さずに伝え、経済的な協力を要請することは、母親の介護を継続するためにも必要な選択です。
まずは介護費用がいくらかかっているかのデータをそろえ、お兄さまと冷静に話し合う機会を設けてみてください。家族全員で分担する体制を整えることが、結果として母親を長く穏やかに支えていくことにつながります。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査 第1編 2人以上世帯 第II部 生活保障に対する意識 2.生活保障に対する考え方 (5)世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の公的介護保険の範囲外費用に対する経済的備え (エ)介護経験 (e)介護費用(179~180ページ)ト
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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