帰省するたび両親が孫のためにと「特上寿司」を用意してくれます。うれしい反面、2人の年金は月「18万円」ほどと聞いてるので、無理をしていないか心配…こちらから食事代を渡したほうがよいのでしょうか?
本記事では、帰省を心待ちにする親世代の思いと家計負担の実情を整理しながら、帰省時に意識しておきたいお金の考え方や、親に配慮しながらできるサポートの方法について解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
年金月18万円の高齢者夫婦の家計は赤字? 2025年の「家計調査」から見る実情と「特上寿司」の負担感
帰省した際に両親が特上寿司を用意してくれるのは、孫や子どもに会えたうれしさの表れともいえます。しかし、年金収入が月18万円ほどと知っていると、家計に無理をさせていないか心配になるものです。実際のところ、年金月18万円で暮らす高齢者夫婦の家計には、どの程度の余裕があるのでしょうか。
総務省統計局が発表した「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の1ヶ月あたりの実収入は平均で約25万4000円となっています。
これに対して、食費や光熱費などの消費支出は平均で約26万4000円であり、非消費支出分と合わせると毎月4万円程度の不足分を貯蓄の取り崩しなどで補っているのが平均的な家計です。
今回のケースの「月18万円」の年金収入は、この全国平均の実収入よりも7万円以上低い水準となります。もちろん、住居が持ち家で家賃がかからない場合や、日頃から徹底した節約を行っている場合は黒字を維持できている可能性もありますが、基本的には「決して余裕のある家計ではない」といえます。
そのような状況下で特上寿司を用意することは、両親にとって決して軽い負担ではありません。家計をやりくりしたり、貯蓄を取り崩したりして、無理をして捻出しているかもしれません。
特上寿司はどれくらい家計を圧迫する? 1回の帰省でかかる食事代の具体的な負担額
実際に、両親が用意してくれる特上寿司がどれほどの金銭的負担になっているのか、具体的な数字で考えてみましょう。
一般的な出前や寿司店の特上寿司は、1人前あたり3000円から5000円ほどの金額であることが多いです。例えば、子世代の夫婦と孫2人の4人家族が帰省し、両親2人と合わせて計6人分を注文した場合、1回の食事代だけで2万円~3万円もの費用がかかる計算になります。
これは年金収入が月18万円ほどの両親にとって、日々の生活費を大きく圧迫する要因になり得ます。
月18万円の予算から固定費や日々の食費を差し引くと、自由に使えるお金はそれほど多く残りません。つまり、お寿司代の支払いは、日常の節約による努力や、これまで貯めてきた大切な貯蓄を取り崩すことで成り立っている可能性が高いでしょう。
喜ぶ孫の顔を見たい一心で、両親は笑顔でもてなしてくれているかもしれませんが、その裏には軽視できない経済的な負担があることを理解しておく必要があります。
両親のプライドを傷つけずに食事代をスマートに補てんする3つの方法
両親の家計を気遣って「食事代」として現金を渡そうとしても、親としてのプライドから「受け取れない」「子どもからお金はもらえない」と拒否されてしまうこともあるかもしれません。そこで今回は、親の好意を無下にせず、スマートに負担を軽減するための3つの方法を提案します。
1つ目は、事前に「今回は私たちがごちそうしたいお店がある」と伝え、外食に連れ出して子世代が支払いを済ませる方法です。これなら実家での準備の手間も省けます。
2つ目は、特上寿司に見合う、あるいはそれ以上の価値がある食材(高級肉や果物など)を事前に実家へ送っておく方法です。
3つ目は、帰省が終わってから「いつもありがとう」と手紙を添えて、商品券や旅行券などをプレゼントする方法です。
現金を直接渡すのが難しい場合は、こうした「モノ」や「体験」にかえて贈ることで、両親も受け取りやすくなるでしょう。
親の「もてなしたい気持ち」を尊重しながら無理のない範囲で感謝を伝えるのがベスト
両親が用意してくれる特上寿司には、単なる食事以上の「孫を喜ばせたい」「歓迎したい」という思いが込められていると考えられます。そのため、費用負担への心配を率直に伝えることで、かえって気を遣わせてしまう場合もあるでしょう。
大切なのは、その気持ちに感謝しながら、子世代としてできる範囲で食事代を負担したり、手土産を持参したりするなど、無理のない形で気持ちを返していくことです。
今回の帰省ではお寿司をありがたくごちそうになり、次回の帰省時に特別な贈り物をしたり、旅行に招待したりするなど、長期的な視点で感謝の気持ちをお金や行動にかえて伝えていきましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

