父が要介護認定を受けました。介護保険を使っても自己負担はかなりあるのでしょうか?介護費用は年金だけで賄えるものなのでしょうか?
ただし、介護保険ですべての費用がまかなえるわけではありません。施設に入れば食費や居住費、日用品代がかかります。在宅でも、介護用品、住宅改修、家族の交通費などが発生することがあります。年金だけで足りるかは、介護度、利用するサービス、本人の年金額、貯金によって変わります。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
介護保険を使っても自己負担はゼロではない
介護保険サービスを利用すると、利用者は所得に応じて費用の1割、2割、または3割を負担します。多くの人は1割負担ですが、一定以上の所得がある人は2割または3割になることがあります。
たとえば、月10万円分の介護サービスを使った場合、1割負担なら自己負担は1万円です。2割なら2万円、3割なら3万円です。介護保険があることで負担はかなり軽くなりますが、無料になるわけではありません。
また、要介護度ごとに介護保険で使える上限額があります。上限の範囲内なら自己負担は1〜3割ですが、上限を超えてサービスを使うと、超えた分は全額自己負担になります。たとえば、訪問介護やデイサービスを多く使う場合、上限を超えないか介護支援専門員 (ケアマネジャー)に確認することが大切です。
介護保険外の費用にも注意が必要です。紙おむつ、介護用の衣類、食事の宅配、家族の交通費などは、原則として別にかかります。介護費用を考えるときは、介護保険の自己負担だけでなく、周辺費用も含めて見積もりましょう。
在宅介護と施設介護では費用のかかり方が違う
在宅介護の場合、費用は利用するサービスの量によって変わります。訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具レンタルなどを組み合わせることが多く、本人の状態や家族の介護力によって必要なサービスは変わります。
在宅介護は施設入所より安く見えることがありますが、家族の負担が大きくなりやすい点に注意が必要です。介護する家族が仕事を減らしたり、遠方から通ったりすると、見えない負担が増えます。介護費用だけでなく、家族の働き方や体力も考える必要があります。
施設介護の場合は、介護サービス費の自己負担に加えて、居住費、食費、日用品費などがかかります。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、施設の種類によって費用は大きく違います。特に民間の有料老人ホームは、月額費用が高くなることがあります。
所得や資産が一定以下の場合、施設の食費や居住費が軽減される制度を使えることがあります。高額介護サービス費という、1ヶ月の自己負担が一定額を超えた場合に払い戻される制度もあります。使える制度を知らないまま支払うと負担が重くなるため、ケアマネジャーや自治体に確認しましょう。
年金だけで足りるかは介護度と貯金で変わる
介護費用を年金だけでまかなえるかは、人によって大きく違います。父の年金が月20万円以上あり、在宅介護でサービス利用が少なければ、年金の範囲で収まる可能性があります。一方、年金が月10万円前後で、施設費用が月15万円以上かかる場合は、貯金の取り崩しが必要になるでしょう。
まず確認したいのは、父の年金額、預貯金、介護保険の負担割合、要介護度です。そのうえで、ケアマネジャーに月の介護サービス費を試算してもらいましょう。施設入所を検討するなら、月額費用だけでなく、入居一時金、医療費、日用品代も確認します。
家族が費用を負担する場合は、兄弟姉妹で早めに話し合うことも大切です。誰がいくら出すのか、通院付き添いは誰がするのか、実家の修繕費はどうするのかを曖昧にすると、後で不満が出やすくなります。
年金だけで足りない場合でも、すぐに家族だけで抱え込む必要はありません。自治体の介護保険課、地域包括支援センター、ケアマネジャーに相談し、負担軽減制度や利用できるサービスを確認しましょう。
まとめ
介護保険を使えば、介護サービスの自己負担は原則1〜3割に抑えられます。ただし、自己負担がゼロになるわけではありません。さらに、施設の食費や居住費、日用品、介護保険外サービスなどは別にかかることがあります。
介護費用を年金だけでまかなえるかは、父の年金額、介護度、在宅か施設か、貯金の有無によって変わります。まずはケアマネジャーに月額費用を試算してもらい、年金収入と比べて不足額を確認しましょう。
負担が重い場合は、高額介護サービス費や施設費用の軽減制度を使える可能性があります。家族だけで悩まず、地域包括支援センターや自治体に相談し、制度を使いながら無理のない介護計画を立てることが大切です。
出典
厚生労働省 概要(介護支援専門員)
厚生労働省 介護保険制度の概要
厚生労働省 介護・高齢者福祉
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

