定年後に再雇用されたら給与が月18万円になりました。でも住民税と社会保険で8万円近く引かれて手取りが10万円しかありません。何か対策はありますか?
本記事では、再雇用後の手取りが少なくなる理由と、負担を軽くするために確認したい対策について解説します。
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目次
月18万円なのに手取り10万円になる主な理由
定年後に再雇用され、給与が月18万円になったのに手取りが10万円ほどになる場合、まず確認したいのが住民税です。住民税は、今の給与ではなく前年の所得をもとに計算されます。給与から引かれる特別徴収では、6月から翌年5月まで毎月天引きされる仕組みです。
つまり、定年前の年収が高かった人は、再雇用で給与が下がっても、しばらくは現役時代の所得をもとにした住民税を払うことになります。月給18万円に対して住民税が2万円、3万円と引かれると、かなり重く感じるでしょう。
一方、所得税は今の給与に応じて毎月計算されるため、給与が下がれば基本的には減りやすい税金といえます。給与明細で大きく負担に見えるのは、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料などです。そのため、手取りが少ないと感じたときは、引かれている項目と金額を給与明細で一つずつ確認しましょう。
社会保険料は会社の手続きで下げられる場合がある
社会保険料は、給与をもとにした「標準報酬月額」で決まります。標準報酬月額とは、社会保険料を計算するための給与ランクのようなものです。再雇用で給与が大きく下がった場合、この金額も下がれば、健康保険料や厚生年金保険料の負担は軽くなります。
ただし、手続きの状況によっては、再雇用後すぐに保険料が下がらないことがあります。そこで確認したいのが、60歳以上の継続再雇用に関する手続きです。
60歳以上の人が退職後に同じ会社で引き続き再雇用される場合、会社が資格喪失届と資格取得届を同時に出すことで、再雇用された月から再雇用後の給与に応じた標準報酬月額にできる場合があります。
この手続きは、一般に「同日得喪」と呼ばれますが、本人だけで完結するものではなく、会社側の手続きが必要です。
そのため、給与が下がったのに社会保険料が高いままの場合は、人事や総務に「再雇用時の社会保険の同日得喪は済んでいますか」と確認してみるとよいでしょう。手続きの状況を確認することで、今後の社会保険料が見直され、手取りが変わる可能性があります。
高年齢雇用継続給付や年金の確認で収入を補えることがある
60歳以降の給与が大きく下がった場合は、「高年齢雇用継続給付」を受けられる可能性もあります。これは、60歳到達時などの賃金と比べて、賃金が75%未満に下がった状態で働く60歳以上65歳未満の一定の雇用保険加入者を支える制度です。
例えば、60歳前の賃金が月36万円で、再雇用後に月18万円になった場合、賃金は半分に下がったことになります。このように大きく収入が下がったケースでは、要件を満たすと高年齢雇用継続給付の対象になることがあります。
ただし、2025年4月1日以降に60歳に達した人は、支給率の上限が賃金の10%に変更されているため、以前の制度を前提に考えると受け取れる金額を多く見積もってしまうかもしれません。そのため、実際に対象になるかどうかは、会社やハローワークで最新の条件を確認しましょう。
また、老齢厚生年金を受け取りながら働く人は、「在職老齢年金」も確認が必要です。2026年4月から、年金が減額される基準額は、賃金と老齢厚生年金の合計で月65万円に引き上げられています。
月18万円の給与のみの場合、この基準に届かない人も多いと考えられますが、賞与や年金額によって変わるため、年金事務所で確認すると安心です。
再雇用後の手取りが少ないと感じたら、給与明細と使える制度を確認しよう
再雇用後に月18万円の給与から8万円近く引かれる場合、前年の所得をもとにした住民税や、社会保険料の負担が大きく影響している可能性があります。まずは給与明細で、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料がそれぞれいくら引かれているか確認しましょう。
そのうえで、会社に社会保険の同日得喪の手続きが済んでいるかを問い合わせ、高年齢雇用継続給付の対象になるかも確認することが大切です。早めに会社やハローワーク、年金事務所へ相談し、使える制度を確認しましょう。
出典
東京都主税局 個人住民税と特別徴収について
日本年金機構 Q 60歳以上の厚生年金の被保険者が退職し、継続して再雇用される場合、どのような手続きが必要ですか。
厚生労働省 令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します
日本年金機構 在職老齢年金制度が改正されました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

