認知症の母を自宅で介護していますが、毎日へとへとです。できれば親を施設にお任せしたいのですが、年金「月8万円」では施設は無理でしょうか?私が「介護離職」する道しかないのでしょうか?
ファイナンシャルプランナー
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年金月8万円でも公的施設なら入所できる可能性がある
月8万円の年金で民間の有料老人ホームを探すと、費用が足りないことが多いでしょう。入居一時金や月額費用が高く、家族の援助が必要になるケースもあります。
一方で、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院などの介護保険施設であれば、本人の所得や資産に応じた負担軽減制度を使える可能性があります。
特に特別養護老人ホームは、在宅生活が難しい高齢者の受け皿になる公的施設です。原則として要介護3以上が入所対象ですが、認知症の状態や家庭の事情によっては、要介護1・2でも特例で検討される場合があります。
費用は、介護サービス費、食費、居住費、日用品代などで決まります。部屋が個室か相部屋かでも大きく変わります。相部屋にあたる多床室を選び、負担限度額認定を受けられれば、月8万円前後で収まる可能性もあります。ただし、医療費や理美容代などの実費は別にかかるため、施設に見積もりを出してもらうことが大切です。
負担限度額認定などの制度を必ず確認する
年金が少ない人が介護保険施設を利用する場合、まず確認したいのが「介護保険負担限度額認定」です。これは、低所得の人の食費や居住費を軽くする制度です。対象になるには、本人や世帯の住民税の状況、預貯金額などの条件があります。
年金月8万円なら住民税非課税にあたる可能性がありますが、預貯金や同居家族、配偶者の状況で結果は変わります。
なお、2026年8月より制度の見直しが予定されており 、食費の基準費用額や一部の負担限度額が引き上げられる予定です。月額で数千円程度の負担増になる場合もあるため、 自分で判断せず、市区町村の介護保険窓口やケアマネジャーに相談しましょう。
また、介護サービス費の自己負担が高くなった場合には、高額介護サービス費という制度で上限を超えた分が戻ることがあります。社会福祉法人が運営する施設では、独自の利用者負担軽減制度を使える場合もあります。
在宅介護を続ける間も、デイサービス、ショートステイ、小規模多機能型居宅介護などを組み合わせることで、家族の負担を減らせます。特にショートステイは、数日間(最長で30日間)施設に泊まってもらえるサービスです。介護者が眠れない、仕事に行けないという状態なら、早めに利用を検討しましょう。
介護離職の前に地域包括支援センターと会社に相談する
介護離職は、すぐに選ぶべき道ではありません。仕事を辞めると収入が減り、自分の将来の年金にも影響します。一度離職すると、同じ条件で再就職するのが難しいこともあります。
まずは地域包括支援センターに相談しましょう。地域包括支援センターは、高齢者や家族の相談窓口です。介護サービス、施設探し、認知症への対応、家族の負担について相談できます。すでにケアマネジャーがいる場合は、「もう限界に近い」と正直に伝えることが重要です。遠慮していると、必要な支援につながりにくくなります。
勤務先にも相談してください。介護休業や介護休暇、短時間勤務、残業の制限など、仕事と介護を両立する制度があります。2025年4月からは、介護離職防止のため、企業に制度の周知や相談体制の整備などが求められています。
介護休業は、親を自分で介護し続けるためだけの制度ではありません。施設を探す、ケアマネジャーと相談する、役所で手続きをするなど、介護体制を整える時間として使うことができます。
まとめ
年金月8万円だからといって、施設入所をあきらめる必要はありません。民間施設は費用面で難しい場合がありますが、特別養護老人ホームなどの公的施設や負担軽減制度を使えば、現実的な選択肢になることがあります。
大切なのは、家族だけで判断しないことです。地域包括支援センター、ケアマネジャー、市区町村の窓口、勤務先に相談し、使える制度を一つずつ確認しましょう。
介護離職は、家計と将来に大きな影響を与えます。辞める前に、施設入所、ショートステイ、勤務制度の利用を検討してください。介護を外に頼ることは逃げではなく、親と自分の生活を守るための前向きな選択です。
出典
厚生労働省 介護保険最新情報 Vol.1506
厚生労働省 どんなサービスがあるの? – 短期入所生活介護(ショートステイ)
厚生労働省 法改正のポイント|介護休業制度特設サイト
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

