退職金「2000万円」を受け取った父が、「長年の夢だった高級SUVを1000万円で買いたい」と言っています。支持してあげたい気持ちはありますが、老後資金を半分も使って大丈夫なのでしょうか…?

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退職金「2000万円」を受け取った父が、「長年の夢だった高級SUVを1000万円で買いたい」と言っています。支持してあげたい気持ちはありますが、老後資金を半分も使って大丈夫なのでしょうか…?
定年退職を迎え、まとまった退職金を受け取ると、「これまで我慢してきた夢をかなえたい」と考える人もいるでしょう。特に、長年憧れてきた高級車の購入は、人生の節目に実現したい目標のひとつかもしれません。
 
しかし、退職金は老後の生活を支える大切な資金でもあります。例えば、2000万円の退職金のうち1000万円を高級SUVの購入に充てると、老後資金は半分になります。このような使い方をしても問題ないのでしょうか。
 
本記事では、総務省統計局の家計調査をもとに高齢夫婦の家計の実態を紹介するとともに、高級SUVを購入する際に考えておきたいポイントについて解説します。
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老後の夢をかなえる前に、退職金の役割を考えよう

退職金は、長年働いてきた結果として受け取るまとまったお金であり、老後の生活を支える重要な資金でもあります。そのため、大きな買い物をする際は、「今買えるか」だけでなく、「今後も安心して暮らせるか」という視点で考えることが大切です。
 
現在は平均寿命が延び、定年後20~30年生活する人も珍しくありません。その間には、物価の上昇や医療費、介護費など、予想していなかった支出が発生する可能性があります。
 
もちろん、「人生で一度は憧れの車に乗りたい」という気持ちを否定する必要はありません。ただし、退職金の多くを一度に使ってしまうと、その後の選択肢が狭まる可能性があります。夢をかなえることと老後の安心を両立できるかどうかを考えながら判断することが重要です。
 

老後の生活は毎月赤字になる世帯もある

退職金の使い道を考えるうえで、老後の家計の実態を知っておくことも欠かせません。
 
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の平均的な家計では、実収入は月25万4395円、可処分所得は22万1544円でした。
 
一方、消費支出は26万3979円となっており、可処分所得だけでは毎月約4万2000円不足しています。この不足分は、貯蓄の取り崩しなどで補うことになるでしょう。
 
もちろん、実際の生活費は年金受給額や住居費、健康状態などによって異なります。しかし、老後は毎月の収入だけで生活費をまかなえないケースがあることを前提に資金計画を立てることが大切です。
 
仮に毎月4万円程度の不足が20年間続けば、単純計算で約1000万円を取り崩すことになります。退職金2000万円のうち1000万円を車の購入に使えば、残る資金も1000万円です。将来の医療費や介護費まで考えると、余裕が十分あるとはいえない可能性があります。
 

高級SUVは購入費だけでなく維持費も考える必要がある

1000万円の高級SUVは、購入後にもさまざまな費用がかかります。
 
自動車税や任意保険、車検、タイヤ交換、消耗品の交換に加え、高級車は修理代や部品代も高くなる傾向があります。燃費によってはガソリン代も家計への負担になるでしょう。年間の維持費は車種や利用状況によって異なりますが、数十万円以上になることも珍しくありません。
 
また、高齢になるにつれて運転する機会が減ったり、健康上の理由から免許を返納したりする可能性もあります。その場合、高額な車を十分に活用できないまま手放すことになることも考えられます。
 
憧れの車を所有する満足感は大きいものですが、新車にこだわらず状態の良い中古車を選ぶ、ワンランク価格を抑えた車種を検討するなど、老後資金をできるだけ残す方法もあります。家計全体への影響を踏まえながら、自分に合った選択肢を探すことが大切です。
 

「老後の安心」と「長年の夢」のバランスを考えた選択を

退職金2000万円のうち1000万円を高級SUVに使うことは、必ずしも間違いとはいえません。しかし、老後は年金だけでは生活費が不足する世帯も多く、医療費や介護費など将来の支出を正確に予測することは難しいため、退職金の半分を一度に使う判断は慎重に行う必要があります。
 
長年の夢をかなえることは、充実したセカンドライフにつながります。一方で、老後資金に余裕を残しておくことは、将来の安心にもつながります。
 
購入を検討する際は、車両価格だけでなく維持費や今後の生活費も含めて試算し、本当に無理のない範囲なのかを家族で話し合ってみましょう。夢と安心のバランスを意識した選択が、後悔のない老後につながるはずです。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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