「年金15万円」の伯母が“家賃4万円”の団地へ引っ越し!「家賃が安くて助かる」とのことですが、家を売って「貯金1000万円以上」あるのに、公営住宅に入れるんですか? 入居基準を確認
月15万円の年金を受け取りながら、自宅の売却によって1000万円以上の貯金がある伯母が、家賃4万円の公営住宅へスムーズに入居できたと聞くと、「低所得者向けの公営住宅に入居できるの?」「資産が多いと入居できないのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。
本記事では、公営住宅の入居基準について、資産と所得の違いや、見落としがちなポイントを分かりやすく解説します。
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目次
公営住宅の審査基準は「貯蓄額」ではなく「所得」が基本
手元に1000万円以上の貯金があっても、それだけを理由に公営住宅へ入居できなくなるとは限りません。公営住宅法に基づく一般的な公営住宅の入居審査では、重視されるのは現在保有している資産ではなく、一定の計算方法によって算出される「政令月収(所得月額)」です。
高齢者世帯(裁量世帯)の場合、この政令月収が原則として15万8000円以下であれば、所得要件を満たすケースが一般的です。
年金月15万円の「政令月収」はどのくらいになる?
では、月15万円の公的年金を受け取っている伯母(65歳以上)のケースで考えてみましょう。
公的年金が月15万円の場合、年間の受給額は180万円です。65歳以上で年金収入が180万円の場合、公的年金等控除が適用されるため、所得は年金収入より少なくなります。さらに、公営住宅では条例などで定められた控除を反映して政令月収(所得月額)が算出されます。
年金収入が月15万円程度であれば、政令月収は15万8000円を大きく下回るケースが多く、所得要件を満たす可能性が高いでしょう。
多くの自治体では貯蓄額そのものに上限は設けられていない
「所得が低くても1000万円もの貯蓄があるなら、公営住宅には入れないのでは」と考える人もいるかもしれません。
しかし、多くの自治体では、公営住宅の入居要件として預貯金額に上限は設けられていません。ただし、一部の自治体では独自に財産要件を設けている場合もあるため、実際の募集要項を確認しておくことが大切です。
持ち家を売却して得た資金は、老後の医療費や介護費、住宅設備の更新、生活費などに備える大切な資金です。そのため、一定の資産を保有していても、所得要件などを満たしていれば、公営住宅へ入居できるケースがあります。
一方、年金収入が少なくて「毎月の家賃が払えるか不安」という高齢者のために、貯蓄額を味方につける審査方法を用意している公的住宅もあります。
例えば、「JKK東京(東京都住宅供給公社)」が定める一般賃貸住宅などでは、満60歳以上の高齢者を対象に、月収が基準に満たなくても「家賃の100倍の貯蓄」があれば入居を認める特例があります。
家賃4万円の部屋であれば、400万円の貯蓄証明を出すことで、収入要件をクリアできる仕組みです。
自宅の売却資金などで手元にまとまった現金があることは、公営住宅の審査で不利にならないだけでなく、JKKのような公社住宅では収入不足を補う手段にもなってくれます。手元に資金があることは、老後の住み替えの選択肢を広げる大きな武器になるといえるでしょう。
単身向け住宅は抽選になることも多く、住み替えは計画的に
要件を満たしていれば誰でもすぐに入居できるわけではない点には注意が必要です。特に、高齢の単身者向けの1DKや2DKなどの比較的小規模な住宅は人気が高く、先着順ではなく抽選で入居者が決まる自治体が多くあります。
そのため、持ち家を売却してから実際に公営住宅へ入居できるまで、数ヶ月から場合によっては1年以上待つケースもあります。住み替えを検討する際は、売却時期と募集時期を確認し、必要に応じて一時的に民間賃貸住宅の利用も含め、余裕のある資金計画を立てておくことが大切です。
貯蓄1000万円があっても、所得要件を満たせば入居できる可能性がある
公営住宅では、資産額ではなく所得を基準として入居審査が行われるのが一般的です。
例えば、公的年金が月15万円(年間180万円)程度であれば、公的年金等控除などを反映した政令月収は、所得基準の範囲内となる可能性が高いでしょう。また、公営住宅の審査では預貯金額そのものに上限を設けていない自治体が多いため、資産があることだけを理由に門前払いされる心配はありません。
むしろ、自治体や物件の種類によっては、貯蓄額が一定以上あることで収入の低さをカバーできる特例審査(家賃の100倍ルールなど)が使えるケースもあります。このため、持ち家を売却して1000万円以上の貯蓄がある高齢者の場合も、入居できる可能性はあります。
ただし、公営住宅は人気が高く、抽選による空き待ちが発生するケースも少なくありません。住み替えを検討する際は、持ち家の売却時期や仮住まいの費用も含めて、余裕を持った生活設計を立てておきましょう。
出典
e-Gov法令検索 公営住宅法
e-Gov法令検索 公営住宅法施行令
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

