70代の母が「持ち家を売って駅近の賃貸に移りたい」と言っています。しかし不動産会社からは「高齢者の一人暮らしは難しい」と言われたそう…。家賃を払えるのに断られることはあるのでしょうか?
本記事では、高齢者の賃貸契約が難しい背景を解説するとともに、親族としてできる具体的な対策や入居につなげるためのポイントをご紹介します。
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目次
十分な資金があっても貸主が慎重になる理由とは? 孤独死や原状回復を巡るリスク
持ち家を売却したまとまった資金や十分な年金があり、毎月の家賃を問題なく支払える場合であっても、高齢者が賃貸住宅の契約を断られてしまうケースはあるようです。
不動産会社や大家が一人暮らしの高齢者の入居をお断りする背景には、家賃の支払い能力以外の理由もあるとされています。その大きな理由のひとつが「居室内での孤独死」に伴うリスクです。
万が一、室内で入居者が亡くなり発見が遅れると、物件の状況によっては告知上の問題が生じ、次の入居が決まりにくくなることがあります。さらに、遺品整理、原状回復、特殊清掃などの費用や、空室期間の家賃損失が貸主の負担になることがあります。
また、足腰の衰えによる災害時の避難遅れリスクも懸念され、年齢が上がるにつれて借りられる物件の選択肢が少なくなる傾向があります。
高齢者一人暮らしでも入居しやすくなる5つのポイント
家賃の支払い能力があっても、さまざまな理由から審査に通らないケースがあります。一方で、事前にポイントを押さえておくことで、入居につながる場合もあります。ここでは、5つの対策を紹介します。
1つ目は、最初から「高齢者可」と明記されている物件を探すことです。
2つ目は、あえて「1階の部屋」を選ぶことです。セキュリティや日当たりの面から2階以上が人気を集めやすい賃貸市場において、1階は家賃設定が安めに抑えられていることが多く、家賃の出費を節約できるメリットがあります。
貸主側としても空室を埋めたい意図があり、高齢者にとっても階段の昇り降りがなく非常時に避難しやすいという利点があるため、双方にメリットが生まれやすいでしょう。
3つ目は、「連帯保証人」を引き受けてくれる親族を事前に確認しておくことです。
4つ目は、連帯保証人や緊急連絡先となる親族の家の近くに住むことです。何かあった際に駆けつけられる距離に身内がいれば、貸主側の不安を軽減できる場合があります。
そして5つ目は、定期的に安否を確認してくれる「高齢者見守りサポート」の導入を前提として契約交渉を進めることです。
これらを組み合わせることで、入居が認められやすくなるでしょう。
改正法で家賃滞納や残置物処理の不安が解消! 国が後押しする新しい賃貸サポート制度
高齢者の住まい探しにおける課題を解消するため、国も大きな法改正を行いました。政府広報オンラインによると、改正「住宅セーフティネット法」が2025年10月1日に施行されました。
この法律は、高齢者や月収15万8000円以下の低額所得者といった住宅確保要配慮者が安心して賃貸に入居できるよう支援するものです。今回の改正では、大家が抱えるリスクを軽減する4つの仕組みが整備されました。
1つ目は「居住サポート住宅」の創設です。ICT(情報通信技術)センサーを用いた1日1回以上の安否確認や月1回以上の訪問見守りを行い、生活保護受給者の場合は自治体から大家へ家賃が直接支払われる「代理納付」を原則として家賃滞納のリスクを極限まで減らします。
2つ目は、国土交通大臣が認定する家賃債務保証業者制度です。これにより保証契約の緊急連絡先に親族だけでなく「法人」を指定可能となり、親族がいない方でも家賃保証を受けやすくなりました。
3つ目は「残置物処理」の円滑化です。生前に居住支援法人と契約しておくことで、死亡後に法人が遺族に代わって残された家財道具の処分を行えるようになりました。
そして4つ目が、本人の死亡時に契約が終了する「終身建物賃貸借」の手続き簡素化です。
これらの制度により、家賃滞納や家具の残置といったお金や費用に関する大家の不安が解消されつつあります。
まとめ
十分な資金や家賃を支払う能力があっても、貸主側が孤独死に伴うリスクや部屋の修繕費用、死亡後の家財処分の手間や費用といったリスクを懸念しているケースは考えられます。しかし、入居を諦める前にできる対策は数多く存在します。
まずは高齢者向け物件や福祉に詳しい不動産会社に相談し、支援制度などを活用しながら、自分に合った住まいを探してみるとよいでしょう。
出典
政府広報オンライン 単身高齢者などの賃貸住宅への入居の不安を解消!改正「住宅セーフティネット法」がスタート
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

