退職金「2500万円」が振り込まれました! 使い道は「住宅ローン完済・NISA・定期預金」どれがお得ですか? それぞれメリット・デメリットを比較
住宅ローンの金利が上昇傾向にある一方で、NISAを活用した資産形成への関心も高まっています。本記事では、それぞれのメリット・デメリットを比較し、後悔しない選択をするためのポイントを分かりやすく解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
住宅ローンを完済するメリット・デメリット
退職金で住宅ローンを一括返済すれば、毎月の返済がなくなり、老後の家計に余裕が生まれます。また、将来支払う予定だった利息を減らせるため、総返済額を抑えられる点も大きなメリットです。
例えば、住宅ローンの残高が1500万~2000万円程度あり、返済期間が10年以上残っている場合は、金利によって数百万円の利息を支払うケースもあります。一括返済によって負担を軽減できれば、年金生活が始まってからの固定費も減らせます。
ただし、退職金の大半を返済に充てると、手元資金が大きく減る点には注意しましょう。老後は、医療費や介護費用、住宅の修繕費などのまとまった支出が発生する可能性があります。
持ち家では、外壁や屋根、水回りなどの修繕に数十万~数百万円かかることも珍しくありません。
また、近年は平均寿命が延び、「老後30年」といわれる時代です。退職後に想定外の出費が続けば、住宅ローンを完済していても生活資金が不足するかもしれません。そのため、一括返済を検討する際は、生活費や緊急時の備えとして十分な現金を残しておきましょう。
NISAや定期預金で運用するメリット・デメリット
退職金を、返済ではなく運用に回す方法も選択肢の1つです。NISAは運用益が非課税になる制度で、長期・積立・分散投資を前提とすれば資産を効率よく増やせる可能性があります。
一方、定期預金は元本割れの心配がほとんどなく、安全性を重視する人に向いています。近年は金利が上昇傾向にあるものの、大きな資産形成というよりは、資金を安全に保管する役割が中心といえるでしょう。
運用利回りだけで判断しないことが大切
住宅ローンの金利より運用利回りが高ければ、運用したほうがお得だと考える人もいます。しかし、投資には価格変動リスクがあり、期待した運用成果が必ず得られるとは限りません。
住宅ローンは、返済すれば利息の軽減という効果を確実に得られます。そのため、「期待できる利益」と「確実に減らせる支出」のどちらを重視するかを考えましょう。
また、退職金は老後生活を支える重要な資金です。資産を増やすことだけを目的にするのではなく、必要なときに使える資金を確保できているかという視点も欠かせません。
迷ったら「返済」と「運用」を組み合わせる方法も
住宅ローンの返済と資産運用は、迷った場合は両方を組み合わせる方法も有効です。
例えば、退職金2500万円のうち一部を住宅ローンの繰り上げ返済に充てて返済負担を軽減し、生活費として数年分の現金を確保したうえで、残りをNISAや定期預金で運用するという方法があります。
資金を複数の目的に分けることで、住宅ローンの利息負担を減らしながら、将来の資産形成や急な出費にも備えやすくなります。
住宅ローン金利が比較的高い人は、返済を優先したほうが有利かもしれません。一方、金利が低く、老後資金にも余裕がある人は、運用を取り入れる選択肢も考えられるでしょう。
重要なのは、「どちらがお得か」を一律に考えるのではなく、自身の収支や資産状況、ライフプランに合わせて判断することです。
まとめ
退職金で住宅ローンを完済するか、NISAや定期預金で運用するかは、それぞれにメリットとデメリットがあります。一括返済は利息負担の軽減や毎月の返済がなくなる安心感がある一方で、運用には資産を増やせる可能性があります。
ただし、老後資金は「増やすこと」だけでなく「必要なときに使えること」も重要です。住宅ローンの金利や手元資金、今後の生活設計を踏まえ、自分に合った資金の配分を検討しましょう。
執筆者 : 仲千佳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

