夏休みに帰省した際、母が「年金だけでは毎月赤字」とこぼしていました…。年金振込通知書をみる限り「月12万円」の年金を受け取れているはずですが、ひとり暮らしでも生活は厳しいのでしょうか?
子どもは、「月12万円」の年金があれば毎月赤字になるとは考えていなかったものの、実際には生活費が不足していることを知り、心配しているようです。
本記事では、年金の額面と手取りの違いや年金振込通知書の基本的な見方に加え、親の生活費が不足している場合に考えられる対応について解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
年金「月12万円」のはずが、手取りはもっと少ない?
「年金振込通知書」は、毎年6月になると日本年金機構から送付される書類です。通知書には、同年6月から翌年4月までに振り込まれる年金についての情報が記載されています。
年金振込通知書の左上部には、「年金支払額」という項目があり、ここに1回あたり(通常は2ヶ月分)に支払われる年金額が記されています。
今回のケースでは、母親の年金額は月額換算で「月12万円」です。もしかしたら子どもは、この「年金支払額」を参照しているのかもしれません。
その場合、実際に振り込まれる額を誤認している可能性があります。実際に振り込まれる年金額は、「年金支払額」の項目の額とは異なるからです。
帰省時に確認したい「年金振込通知書」の見方
「年金支払額」に記載されている金額は、あくまで控除前の金額です。年金には次の項目で天引きされる税金・保険料があります。
・介護保険料
・後期高齢者医療保険料
・国民健康保険料
・所得税
・復興特別所得税
・個人住民税
・森林環境税
これらの金額を天引きした額が実際の振込額です。振込額は、年金振込通知書の「控除後振込額」という項目に記載されています。
もしこの項目に書かれている金額が12万円でないなら、その額が実際の手取り額であり、母親が「毎月赤字」になっている理由かもしれません。
なお、後期高齢者医療保険料と国民健康保険料は、年齢などに応じてどちらか一方が天引きされます。
親の生活費が足りないとき、まず見直すべき支出
もし親の生活費がいつも赤字状態なら、まず支出を見直すとよいでしょう。年金の手取り額と月々の支出を書き並べて、次のような項目で削れる固定費がないか調べます。
・家賃:公営住宅など家賃が安い住まいへの住み替えを検討する
・通信費:格安SIMへの切り替えを検討する、不必要なオプションプランを解約する
・保険料:現状より安い保険に切り替える
・光熱費:ガス会社や電力会社の契約先を切り替える、省エネ家電を活用する など
情報を代わりに調べて、契約変更を手伝うことでも、大きなサポートになるかもしれません。
仕送りの前に確認したい公的制度
親の収入が少ない場合は、公的な制度を活用することも検討できます。例えば次のような制度が適用できないか調べてみましょう。
・年金生活者支援給付金:年金額が低い場合の上乗せ給付措置
・介護保険サービス:要介護認定を得た場合に介護サービスを低負担で利用できる制度
公的制度を適用することで、負担を軽減できる可能性があります。
仕送りする場合に考慮したい点
仕送りをする場合は、次のような点についてあらかじめ確認しておくことが大切です。
・自身の生活に必要な額は確保する:仕送り額が多すぎると、自分自身の家計を圧迫する可能性がある
・家族と話し合う:仕送り額やタイミングについて同意を得ておくとリスクヘッジにつながる
また、親を扶養に入れることも検討できます。親の所得など一定の条件を満たせば扶養控除の対象となり、税負担が減ることで、結果的に自身の負担軽減にもつながるでしょう。
もしお金を受け取ることに親が抵抗を感じる場合は、食材を届けたり、移動手段を確保したりするなど、現金を渡す以外の形で生活を支えることもできるでしょう。
年金額は手取りを確認することが大事。支出見直しや制度利用も選択肢
年金振込通知書に記載されている金額には、天引き前のものもあるため、「控除後振込額」の欄を確認しましょう。そのうえで支出の現状を確認し、固定費を見直したり公的制度の活用が可能か検討したりできます。
仕送りしたい場合は、その額やタイミングについて家族と話し合うことも大切です。また仕送り以外の間接的なサポートの方法もないか探ってみましょう。
出典
日本年金機構 年金振込通知書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

