<50代独身女性からの悩み相談>これまで仕事に忙しく、将来の準備をしていません。貯金はほぼゼロ状態なので不安です。今からどうしたら良いですか?
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
貯金ゼロは私だけ?
相談者のAさんは57歳の会社員、独身女性です。これまで仕事中心の生活でキャリアを積んできた自負があります。一方で頑張った自分へのご褒美も忘れていません。夏の長期休暇には海外旅行なども楽しみ、充実した日々を送ってきました。60歳までは今の仕事を続けるつもりでいます。
最近先輩から60歳を過ぎるとお給料が少なくなる話を聞き、急に将来のことが不安になりました。この生活がずっと続くわけではないと感じつつ、なんとかなると楽観的に構えていましたが、老後が近づいている現実を突きつけられたかたちです。実はAさんのような例は多く、貯金ゼロも珍しくはないのです。
下記の図表1は、金融経済教育推進機構が行った「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」から50代の金融資産の保有状況を抜粋したものです。
この調査における金融資産とは、預貯金、積立型保険商品、個人年金保険、金銭信託、債券、投資信託、株式、財形貯蓄などの金融商品を指しますが、このうち、 預貯金については、定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、「日常的な出し入れ・引き落しに備えている部分」は含みません。
(図表1)
単身世帯、つまりAさんのような“おひとりさま世帯”で「貯金はほぼゼロ」の回答は35.2%、二人以上の世帯18.2%を大きく上回っています。参考までに単身世帯の60代、70代についての動向を示したものが図表2です。いずれの表も平均値および中央値は、金融資産を保有している人の保有金額についての値です。
60代70代になって金融資産を保有している人の割合が増えているのは、退職金や相続による一時的な収入があったのが理由ではないかと考えられます。老後資金の準備を進める上では、毎月コツコツと貯金を積み上げる習慣を身に付けることが喫緊の課題だと思います。
(図表2)
将来の自分のために今日から始める
「老後の資金に関する悩み相談」この多くは「資金が足りるかどうか?」に集約されます。一般的には、単身世帯で3000万円以上が必要などと言われていますが、前段で見てきた統計では不足する可能性が大きい人が多数いることが分かります。不足分をどう補うか? この解決策は、“長く働くこと”と“お金に働いてもらう(資産運用)”の2つです。
さて今回のご相談。この2つの解決策に入る前に、貯金ゼロから脱却することが先決です。資産運用するにも、働いてくれるお金(元手)をつくらなければなりません。
Aさんは、自分のお給料を「すべて自分の采配で」「自分のために使うことができる」はずです。これまで貯金できなかったのは、収入に見合った生活以上のぜいたくをしてきたからに他なりません。全部使ってしまっても、翌月にはお給料が振り込まれる生活をしていると、差し迫った不安を感じなかったのでしょう。借金していなければOK、と言えばそれまでですが……。
老後の準備は1日でも早く始めることが大切です。次のお給料日から早速積立貯金を始めてください。例えば「生活費の15%を貯金」と決めて、積立の仕組みをつくります。始めの3ヶ月程度は我慢が必要ですが、しだいに慣れますし、通帳の数字が増えることでモチベーションが上がります。数字が自信にもなりますし、何といっても老後の不安が軽減されます。
将来年金生活に突入すると、生活費>年金なので、生活費を節約することは避けられません。節約の仕方を練習し始めることにもなります。
外食の回数を減らす、買い物の前に“本当に必要か?”と自問してみる、メリハリのあるお金の使い方をする等のひと工夫で、お金は貯められるものです。思い立ったが吉日、「自分の采配で」「将来の自分のために」頑張りましょう!
出典
金融経済教育推進機構 家計の金融行動に関する世論調査
執筆者 : 宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士



