「老後は沖縄でリゾート気分を味わいたい」と話す一人暮らしの母。東京より生活費は抑えられそうですが、年金月「14万円」で家賃や生活費を賄えるでしょうか?
しかし、沖縄はすべての物価が東京より安いわけではありません。また、賃貸住宅に住む場合は家賃の負担も考える必要があります。本記事では、年金月14万円で沖縄での一人暮らしが可能なのか、公的データを基に考えていきます。
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目次
月14万円では沖縄での一人暮らしは余裕があるとはいえない
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月平均14万9286円です。さらに、税金や社会保険料などの非消費支出が1万2647円あり、実支出は合計で月約16万2000円になります。
つまり、月14万円の予算では、全国平均の実支出と比べて約2万2000円不足します。
さらに注意したいのが住居費です。消費支出に含まれる住居費は月1万2693円ですが、これは実際の賃貸住宅の家賃相場と比べると低い金額です。持ち家に住んでいる世帯なども含まれるため、沖縄へ移住して新たに賃貸住宅を借りる場合は、実際に支払う家賃で家計を考える必要があるでしょう。
沖縄は家賃が東京より安い一方で食費は高い傾向にある
総務省統計局「消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果-」によると、全国平均を100とした総合物価指数は東京都が104.0、沖縄県が100.2です。住居の指数は東京都127.2に対して沖縄県94.0なので、住居費を抑えやすい点は沖縄移住のメリットといえます。
一方、食料の指数は東京都103.0に対して沖縄県106.7で、沖縄県は全国で最も高い水準です。光熱・水道も105.0と東京を上回っています。そのため、「沖縄なら日々の生活費も大幅に安くなる」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。
また、沖縄県が公表した「2023年住宅・土地統計調査」によると、県内の借家の1ヶ月当たり平均家賃は4万9379円です。月14万円からこの家賃を引くと、残るのは約9万1000円です。
この中から食費や光熱・水道費、通信費、医療費、日用品代などを支払わなければなりません。さらに車を所有する場合は、ガソリン代や駐車場代、車検代なども必要です。家賃だけでなく、移住後の生活全体にかかる費用を確認しておくことが重要です。
年金月14万円で「リゾート気分」まで楽しむには家賃などの固定費を抑えることが重要
「沖縄で生活できればよい」のではなく、「リゾート気分を味わいたい」という希望があるなら、外食や旅行、趣味などに使うお金も確保したいところです。
公益財団法人生命保険文化センターが公表している「2025(令和7)年度生活保障に関する調査」では、夫婦2人が考える「ゆとりある老後生活費」は月平均39万1000円でした。単身者向けの金額ではありませんが、単純に半分にすると約19万6000円です。月14万円とは約5万6000円の差があります。
同調査では、ゆとりのための上乗せ額の使い道として「旅行やレジャー」を挙げた割合が59.5%で最も高くなっています。沖縄で余暇まで楽しむには、最低限の生活費だけでなく、自由に使えるお金も必要でしょう。
月14万円で暮らすなら、家賃などの固定費をできるだけ抑えることがポイントです。ただし、安さだけで住む場所を決めると、病院やスーパーが遠く、車が必要になって交通費が増える可能性もあります。家賃と生活の利便性を合わせて検討しましょう。
沖縄での老後を楽しむなら移住前に実際の支出を試算しよう
月14万円でも家賃の安い物件を選び、支出を抑えれば沖縄で生活できるケースはあります。ただし、高齢単身無職世帯の実支出が全国平均で月約16万2000円であることを考えると、余裕のある予算とはいえません。
特に注意したいのは、「沖縄なら東京より何でも安い」と考えないことです。住居費は東京より安い傾向がありますが、食料などはむしろ高い水準です。
移住前には、希望する物件の家賃に加えて、食費、光熱費、医療費、通信費、交通費などを具体的に試算しましょう。さらに外食や旅行など、沖縄で楽しみたいことの予算も用意しておくと安心です。短期滞在などで実際の生活環境を確かめてから判断すれば、予算と理想のバランスが取れた老後生活を実現しやすくなるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
総務省 消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果- 別表1 10大費目別消費者物価(10ページ)
沖縄県企画部統計課 人口社会統計班 令和5年住宅・土地統計調査結果の概要(沖縄県分) 3.世帯の居住状況 1か月当たり家賃(e-Stat 第112-1表)
公益財団法人生命保険文化センター 2025(令和7)年度生活保障に関する調査 第III章 老後保障 2.老後生活に対する意識 (4)老後のゆとりのための上乗せ額の使途(117ページ)、(5)ゆとりある老後生活費(120ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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