老後資金「1500万円」で北海道へ単身移住。家賃は東京より安いと聞きますが、冬の生活費で結局高くなるのでしょうか? 雪国ならではの出費を解説
しかし、北海道では冬になると暖房費が増え、車を持つなら冬用タイヤなども必要です。家賃だけで判断すると、想定より生活費が高くなる可能性があります。
今回の記事では、北海道への単身移住で考えておきたい冬ならではの出費と、老後資金1500万円でどの程度暮らせるのかを解説します。
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目次
北海道は家賃が安くても、家賃を除く生活費は全国で最も高い
北海道への移住では、家賃を抑えられる可能性があります。総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」を基にすると、北海道の借家の平均家賃はおおむね月4万円台で、札幌市でも5万円台が目安です。東京より安いため、毎月の固定費を減らせる可能性があります。
ただし、「家賃が安い=生活費全体も安い」とは限りません。
同じく総務省統計局が公表している「消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果-」によると、全国平均を100とした北海道の「家賃を除く総合」は103.0で、47都道府県のうち最も高くなっています。また、「光熱・水道」は119.6で全国1位です。
つまり、住居費を抑えやすい一方、日々の生活、特に光熱費には注意が必要です。「東京より家賃が3万円安くなるから、毎月3万円節約できる」と単純に考えず、冬を含めた年間の支出で比較しましょう。
冬は暖房費に加えてタイヤや除雪など北海道特有の出費が増える
北海道移住で特に注意したいのが、冬の出費です。厳しい寒さが続くため、冬は灯油やガス、電気などの暖房費が増えます。金額は住宅の広さや断熱性能、暖房方式などで大きく変わりますが、真冬には灯油代などが月1万円以上増えるケースもあります。
車を所有するなら、スタッドレスタイヤも必要です。車種や商品によっては4本で数万円以上かかります。さらに、春と秋にはタイヤ交換の工賃が発生する場合があります。毎年タイヤを購入するわけではありませんが、数年ごとの交換に備えて費用を積み立てておくと安心でしょう。
ほかにも、車体のさびを防ぐ防錆対策や除雪サービス、防寒着、滑りにくい冬靴などにお金がかかることがあります。
特に高齢になってからの雪かきは大きな負担です。移住先を探す際は家賃だけでなく、除雪サービスの有無や費用も確認しておきましょう。車を持たなくても生活でき、除雪の負担が少ない物件を選べれば、冬の支出と身体的な負担の両方を抑えやすくなります。
老後資金1500万円で暮らせる期間は年金額によって大きく変わる
総務省統計局が公表している「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月14万8445円です。北海道では冬の暖房費などが増えることを考え、仮に生活費を月16万~18万円として計算してみましょう。
年金収入が月14万円の場合、不足するのは月2万~4万円です。1500万円を不足分に充てると、単純計算では約31~62年分になります。
一方、年金収入が月7万円なら、毎月9万~11万円が不足します。この場合、1500万円で補えるのは約11~14年です。同じ1500万円を持っていても、年金額によって資金が持つ期間には大きな差が生まれます。
なお、日本年金機構によれば、2026年度の老齢基礎年金の満額は月7万608円です。実際の年金受給額は、現役時代の働き方や年金制度への加入状況、加入期間や過去の収入などによって異なるため、「ねんきん定期便」などで自分の見込額を確認したうえで計算することが大切です。
また、先述の計算は単純なものであり、医療・介護費、家電の買い替え、引っ越しなどの臨時支出や物価上昇は考慮していません。1500万円をすべて日常生活費に充てるのではなく、まとまった出費に備えるお金も残しておく必要があります。
北海道への単身移住は「家賃+冬の費用」で予算を立てよう
北海道は東京より家賃を抑えやすい一方、光熱費をはじめとする生活費は高くなる可能性があります。特に冬は、暖房や雪対策など北海道ならではの支出が発生します。
そのため、1500万円で老後を過ごせるかを考えるときは、貯蓄額だけを見るのではなく、「年間の生活費-年間の年金収入」で毎年の取り崩し額を確認することが重要です。
移住前には冬を含めた1年間の予算を作り、医療や介護などに備える予備資金も確保しておきましょう。公共交通機関を利用しやすい地域や除雪負担の少ない住宅を選ぶなど、住み方を工夫すれば雪国特有の支出を抑えられる可能性もあります。
北海道の家賃の安さだけでなく、冬の費用まで見込んでおくことが無理のない老後の移住につながるでしょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 住宅・土地統計調査/令和5年住宅・土地統計調査/住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村 表番号111-3 借家の家賃 居住室の畳数(6区分)別住宅の1か月当たり家賃(10区分)別借家数、1か月当たり家賃及び1か月当たり共益費・管理費-全国、都道府県、市区町村
総務省統計局 消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果- 別表1 10大費目別消費者物価(10ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
