夫婦で「生活費20万円」の50代会社員…老後「年金25万円」でも家賃7万円で“自炊・節約”してるなら余裕で暮らせると思ったのに…実は「毎月5万円の余裕」にならない!? 見落としがちな老後家計のポイント
しかし、老後の資金計画を立てる際に、年金の「額面」の金額だけで計算すると、実際に年金生活が始まったときに、想定よりも生活費に余裕がないと感じる可能性があります。本記事では、現在の計算で見落としがちな老後家計のポイントを確認し、どのような備えが必要なのかを解説します。
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「毎月5万円の余裕」にならない可能性
定年後の収支をシミュレーションする際、多くの人が見落としがちなのが、「手取り額」と「予想外の支出」です。
年金は「額面」ではなく「手取り」で考える
会社員の給与と同様に、公的年金からも税金や社会保険料が差し引かれます。具体的には、所得税や住民税のほか、国民健康保険料(75歳以上は後期高齢者医療保険料)、介護保険料が天引きの対象です。
差し引かれる金額は、年金額や前年の所得、居住する自治体などによって異なりますが、額面よりも実際に受け取れる金額は少なくなります。そのため、夫婦の年金額が合計25万円で生活費が20万円であっても、毎月5万円の黒字にはならないことを自覚し、実際の手取り額を基に家計を考えることが大切です。
生活費20万円には含まれない支出もある
もう1つ注意したいのが、毎月20万円という生活費だけでは対応できない支出があることです。
年齢を重ねるにつれて、通院や入院などの医療費が増える可能性があります。また、将来的に介護サービスを利用する場合には、その自己負担額も必要です。
さらに、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電の買い替え、自宅の修繕費など、一時的にまとまったお金が必要になることもあります。毎月の黒字だけで、こうした支出をすべて賄うのは難しい場合もあるでしょう。
ゆとりある老後に向けた備え
手取り額と額面の違いや、突発的な支出の存在を50代のうちから意識できれば、老後に向けた準備がしやすくなります。
手取りベースで収支をシミュレーションする
まずは、ねんきん定期便などで確認できる年金見込額を基に、税金や社会保険料が差し引かれた後のおおよその手取り額を想定し、現在の生活費と照らし合わせてみましょう。
毎月の生活費だけでなく、家電の買い替えや医療費など、年間で発生する可能性がある支出も含めて試算しておくことで、より現実的な老後資金を把握しやすくなります。
NISAやiDeCoを活用して資産形成を進める
老後資金にゆとりを持たせるためには、公的年金だけに頼らず、現役世代のうちから資産形成を進めることも有効です。
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度を活用すれば、老後資金を効率的に準備できます。
例えば、現在の収入が25万円あり、毎月5万円を年利5%で運用できると仮定してNISAで10年間積み立てた場合、元本600万円に対して約772万円まで資産を増やすことができる計算です。
また、iDeCoで毎月2万3000円(会社員の一般的な拠出限度額)を年利3%で10年間運用した場合、年収や所得税率による年間の税制メリットを受けながら、65歳時に一時金で約320万円を受け取ることも可能です。
毎月の生活費を20万円に抑えられている現在の家計管理能力を生かし、無理のない範囲で積立投資を続けることで、将来の医療費や介護費にもしっかりと備えられるでしょう。
現実的な収支計画が安心につながる
「年金25万円・生活費20万円」という数字だけを見ると、5万円の余裕があるように感じますが、年金からは税金や社会保険料が差し引かれるため、実質の手取り額は下がります。また、一時的な支出なども考慮することが大切です。
一方、自炊などで生活費を抑えられている堅実な家計管理は、老後生活の大きな強みになります。
手取り額を基にした現実的な収支シミュレーションで備えながら、NISAやiDeCoなどを活用した資産形成を今から始めることで、より安心して老後を迎えるための準備を進められるでしょう。
出典
国税庁 高齢者と税(年金と税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
