60歳で再雇用され、給与が月「42万円」から「22万円」に下がります…。貯金が「1000万円」ある場合、無理して働き続けるより退職して年金受給まで待つ方がよいでしょうか?
必要以上に貯金を減らさないためには、再雇用で働き続けるメリットや、退職後に必要となる生活費を把握しておくことが大切です。
本記事では、再雇用後に給与が下がった場合を想定し、収入面や働き方などを踏まえながら、働き続けるかどうかを判断するポイントについて解説します。
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再雇用後の給与はどれくらい下がる?
定年後に再雇用された場合、定年前と比べて給与が下がるケースが多いようです。企業によって給与の決め方は異なりますが、定年前の6割から7割程度が目安とされています。
例えば、定年前の給与が月42万円だった場合、6割なら約25万円、7割なら約29万円です。月22万円となる場合は、定年前と比べて約52%の水準となるため、一般的な目安より低い給与設定と考えられます。
正社員から嘱託社員や契約社員へ雇用形態が変わる場合は、給与の支払い方法が月給制から時給制や日給制へ変わることもあります。給与だけでなく、賞与の支給額が減ったり、支給対象外になったりする可能性もあるため、再雇用後の年収で比較することが大切です。
退職して年金受給まで待つ場合のリスク
60歳で退職すると、年金を受け取るまで給与収入がなくなる可能性があります。日本年金機構によると、老齢年金は原則として65歳から受給開始です。60歳で退職した場合は、5年間にわたって収入がない期間が生じます。生活費を貯金から補うことになれば、貯金も徐々に減っていくでしょう。
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 2025年」によると、60~64歳の世帯の消費支出は1ヶ月平均34万393円でした。仮に60歳で退職し、同程度の支出が5年間続いた場合、消費支出は約2042万円になります。
1000万円の貯金を同じペースで取り崩した場合、約2年5ヶ月でなくなる計算です。65歳までの5年間を貯金だけで生活するには、1000万円では足りない可能性があります。
ただし、実際に必要となる金額は、世帯ごとに異なります。退職を検討する際は、年金の見込額と毎月の支出を確認し、年金を受け取るまでに必要な資金を見積もっておくとよいでしょう。
働き続けるメリットと注意点
60歳で再雇用されたあとも働き続ければ、収入を得ながら年金受給までの期間を過ごせます。貯金を取り崩す額をおさえられる可能性があるほか、厚生年金への加入状況によっては、将来受け取る年金額が増える場合も考えられるでしょう。
厚生年金は、日本年金機構によると、一定の条件を満たして働く70歳未満の人が加入対象となります。60歳以降も厚生年金に加入して働けば、加入期間や給与などに応じて老齢厚生年金の額が計算されるため、将来の年金額が増える可能性があります。
また、65歳以降も働き続ける場合、年金の受給開始時期を繰り下げる方法もあります。老齢基礎年金と老齢厚生年金は、昭和27年4月2日以降生まれの方であれば66歳から75歳までの間で繰り下げて受給できます。繰り下げた場合は、1ヶ月につき0.7%ずつ年金額が増額され、75歳まで繰り下げると最大84%の増額となります。
ただし、働き続ければ必ず年金額が増えるとは限りません。給与と老齢厚生年金の合計額によっては、在職老齢年金制度により年金の一部または全部が支給停止となる場合があります。
支給停止の基準となる金額は月65万円のため、給与と老齢厚生年金の合計額を確認しておくことが大切です。
年金受給までの5年間を考えると働き続けることも検討した方がよい
60歳で再雇用され、給与が月42万円から22万円に下がる場合でも、すぐに退職するのではなく、年金を受け取るまで働き続けることも検討した方がよいかもしれません。
平均的な支出が続くと仮定した場合、5年間では支出額は約2042万円となり、1000万円の貯金だけでは不足する可能性があるためです。
再雇用後も月22万円の給与を得られれば、貯金の取り崩しをおさえながら年金受給まで生活できます。退職するか働き続けるかは、貯金額だけで決めるのではなく、毎月の生活費や年金の見込額などを踏まえて判断するとよいでしょう。
出典
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額 老齢厚生年金の受給要件
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 2025年 家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 表番号3-2 表分類<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 統計表名 世帯主の年齢階級別
日本年金機構 Q.会社に勤めたときは、必ず厚生年金保険に加入するのですか。
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
