国家公務員の友人は「年金がもらえるまでは月給20万円でも働かないと」とぼやいています。民間企業勤めの私も月給「16万円」で再雇用予定ですが、定年後も「官民格差」はあるんでしょうか?

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
国家公務員の友人は「年金がもらえるまでは月給20万円でも働かないと」とぼやいています。民間企業勤めの私も月給「16万円」で再雇用予定ですが、定年後も「官民格差」はあるんでしょうか?
定年が近くなってくると、再雇用後の給料事情に関心を抱く人もいらっしゃるのではないでしょうか。特に近年は官民ともに定年延長が進み、働くシニア世代が増える中にあって、掲題のように待遇が気になるのは自然な流れといえます。
 
一般的に官民を問わず再雇用後の給与は定年前より減少する傾向にありますが、国家公務員と民間企業では、60歳以降の働き方や給与の決まり方に違いがあります。本記事では、国家公務員における再雇用制度の現状を踏まえた上で、官民格差の背景事情を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

「定年前再任用」「暫定再任用」の違いとは?

令和5年4月に施行された改正国家公務員法により、国家公務員の定年年齢が2年に1歳ずつ段階的に引き上げられ、令和13年度に65歳となります。定年の引き上げに伴い、60歳以降に適用される再任用等の運用を円滑に進めるため、以下2つの制度が設けられました。
 
・定年前再任用
60歳に達して以降、定年前に自ら退職した職員を、短時間勤務の官職に任用する制度です。高齢期の多様な働き方に対応することを目的として導入されました。
 
・暫定再任用
定年引き上げ期間中の経過措置として設けられた制度です。従来の再任用制度に代わる仕組みで、65歳定年へのスムーズな移行を目的として運用されています。
 
この制度では、定年退職した職員を、1年以内の任期で改めて再任用することができます。「フルタイム勤務」「短時間勤務」の2区分があり、本人の希望や任命権者の判断等を踏まえて任用されます。
 

国家公務員は60歳を過ぎると給与はどれくらい下がる?

国家公務員の60歳以降の給与は、人事院勧告を踏まえた給与制度に基づいて決定されます。制度上、60歳前の給与よりも給与水準が抑制されているのが現状です。
 
例えば、人事院給与局「国家公務員の60歳以降の働き方について」によると、60歳に達した職員の俸給(基本給)は、60歳に達して最初の4月1日以降、60歳のときの7割水準となると示されています。また管理監督職の場合は「管理監督職勤務上限年齢による降任等による降格分に相当する額」を算出し、手当を含めた月額の7割程度が支給されるようです。
 
ただし、定年前再任用や暫定再任用の俸給は、職務の級ごとの基準俸給月額や勤務時間などに基づいて決まり、退職前の俸給の7割になるとは限りません。
 

民間企業の再雇用後の給与水準は6~7割

一方、民間企業の場合、厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」によると、65歳以上定年企業は、定年制を廃止した企業を含めて34.9%でした。また、内閣府の「令和6年度 年次経済財政報告」によると、定年後の高齢雇用者の賃金水準を定年前の6~7割程度とする企業が45%と、最も多くなっています。
 
国家公務員の給与が法令や人事院勧告に基づき全国一律の制度で決定されるのに対し、民間企業では、各社が就業規則や賃金制度に基づいて再雇用後の待遇を決定するといった違いもあります。
 
官民ともに定年後の継続雇用では給与水準が低下する傾向にあるものの、給与が決まる経緯や給与水準の差もあり、官民格差を感じる人もいるのかもしれません。
 

まとめ

国家公務員が定年引上げにより60歳以降も引き続き勤務する場合、俸給月額は原則として60歳前の7割水準となります。ただし、定年前再任用や暫定再任用の給与は別の基準で決まります。
 
民間企業の再雇用後の待遇も企業によって異なるため、今回の月給20万円と16万円という金額だけで官民格差があるとは判断できません。現役時代の自分や国家公務員の友人との格差を実感する場面もあるかもしれませんが、今後の家計管理をどう見直していくかに目を向けることが大切かもしれません。
 

出典

内閣官房 国家公務員の人事行政 高齢施策
人事院生涯設計課 定年引上げ・再任用制度FAQ 令和8年4月
内閣官房 国家公務員の暫定再任用制度について
人事院給与局 国家公務員の60歳以降の働き方についてー情報提供・意思確認制度に基づく情報提供パンフレットー令和7年4月版 60歳に達した職員の俸給(基本給)(11、12ページ)
厚生労働省 令和7年「高年齢者雇用状況等報告」 企業における定年制の状況 表5(9ページ)
内閣府 令和6年度 年次経済財政報告 第3章 第3節 高齢者就業の現状と課題
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

LINE