義母から「老後は一緒に暮らせば、お互い節約になる」と同居を提案されました。妻は「食費や光熱費が増える」と心配していますが、親子で暮らすと生活費は実際どれくらい変わるのでしょうか?
本記事では、高齢者世帯の平均的な家計を確認するとともに、同居した場合の生活費を試算しながら解説します。
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目次
高齢単身者世帯の平均的な消費支出は可処分所得を上回る
総務省統計局が公表している「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入は、月平均13万1456円です。税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得は11万8465円であるのに対し、消費支出は14万8445円となっています。
つまり、可処分所得より消費支出のほうが月2万9980円多い計算です。また、実収入のうち12万212円を社会保障給付が占めています。
消費支出の内訳では、食料が全体の28.7%を占めます。義母が現在1人で暮らしている場合、同居後はこの食費がすべてなくなるわけではありません。しかし、別々に暮らしている間は、義母自身が食費だけでなく、住居費や光熱費、通信費なども単独で負担しています。同居によって一部の支出を共有できれば、義母側の家計負担が軽くなる可能性があります。
高齢の親との同居で家計はどう変わる? 5人世帯の平均支出と比較
ここでは、高齢の親1人と4人世帯が別々に暮らしている場合と、5人で同居する場合を想定し、食費や水道光熱費、交通・通信費がどの程度変わるのかを見てみましょう。
前述の総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯では、1ヶ月の食費は4万2545円、光熱・水道費は1万5565円、交通・通信費は1万3601円です。3項目を合計すると7万1711円となります。
また、総務省統計局「家計調査 家計収支編 2025年」によると、4人世帯では食費が10万3384円、光熱・水道費が2万5942円、交通・通信費が5万3213円で、合計18万2539円です。高齢の親1人と4人世帯が別居していると仮定して両者を合計すると、3項目だけで月25万4250円となります。
一方、5人世帯では、食費が11万2019円、光熱・水道費が2万8271円、交通・通信費が4万9714円で、合計19万4円です。単純に比較すると、別居を想定した場合との差は月6万4246円、年間では約77万円となります。
ただし、家計調査の4人世帯・5人世帯のデータは、必ずしも「高齢の親と子世帯が同居している世帯」を対象としたものではありません。そのため、この差額がそのまま親との同居によって減らせる生活費を示しているわけではなく、あくまで家計を考える際の参考値として捉える必要があります。
食費や光熱費が増えても、2世帯分の重複支出を減らせる可能性がある
今回のケースで妻が心配するように、義母との同居によって、世帯全体の食費や水道光熱費は増える可能性はあります。ただし、同居による家計への影響を考える際は、同居前の子世帯の支出と単純に比較するだけでなく、義母がこれまで負担していた生活費も含めて考える必要があります。
例えば、同居すれば電気や水道の使用量は増えても、親子がそれぞれ負担していた基本料金などを一本化できる可能性があります。インターネットの利用料金についても、親世帯と子世帯が別々に契約する場合と比べ、同居して費用を分担すれば支出を抑えられるのです。
一方で、節約額だけを優先すると、費用負担をめぐる不満が生じるおそれがあります。食費、水道光熱費、通信費、日用品費などについて、定額を出してもらうのか、人数に応じて分けるのか、実際の使用量を考慮するのかを同居前に決めておくことが大切でしょう。
親子の負担額を事前に決めよう
今回の試算では、食費と水道光熱費、交通・通信費の合計が減少しています。ただし、義母1人との同居で同じ金額を節約できるとは限らず、食費を含む生活費全体がいくら変わるかも考慮する必要があります。
現在の双方の食費、光熱費、通信費などを確認し、同居後の負担方法を具体的に決めたうえで、節約効果と暮らしやすさの両面から判断するとよいでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2025年-(18ページ)、表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2025年-(19ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2025年 表番号3-1 世帯人員別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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