毎月の生活費に困っている母が「生活保護」の申請を検討しています。兄は「その前に自分たちで仕送りするべき」と言いますが、子どもが援助できる場合でも生活保護は申請できるのでしょうか?

配信日:
この記事は約 4 分で読めます。
毎月の生活費に困っている母が「生活保護」の申請を検討しています。兄は「その前に自分たちで仕送りするべき」と言いますが、子どもが援助できる場合でも生活保護は申請できるのでしょうか?
親の生活費が不足している場合、子どもが仕送りをしていると「生活保護は利用できないのでは」と考える人もいるかもしれません。
 
しかし、子どもから援助を受けていることだけを理由に、生活保護を申請できないわけではありません。援助を受けてもなお最低生活費に満たない場合などは、生活保護の対象となる可能性があります。
 
本記事では、子どもからの援助と生活保護の関係をはじめ、保護費の考え方や生活を支える各種扶助、申請時に確認されるポイントについて分かりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

扶養義務者の援助があっても生活保護を申請できる?

生活保護制度において、親や子ども、兄弟姉妹といった扶養義務者からの援助は保護に優先して活用することが原則とされています。しかし、援助は可能な範囲で行うものであり、援助ができる親族がいることによって保護が受けられないということではありません。
 
また、生活保護の申請は国民の権利です。生活に困窮している方であれば誰でも申請することができます。兄や自分が可能な範囲で仕送りをすることは大切ですが、子どもから援助を受けていても、それを含めた世帯の収入が最低生活費に満たない場合は、生活保護の対象となる可能性があります。
 
また、子ども自身の生活に支障が生じるほどの援助を求められるものではないため、親の生活が厳しい場合は福祉事務所へ相談することが大切です。
 
生活保護を申請すると、生活状況や収入・資産などについて調査が行われます。家庭訪問や資産・収入の調査などに加え、扶養義務者から援助を受けられるかどうかについて確認が行われる場合もあります。
 

具体的な生活保護支給額の例

生活保護費が支給されるかどうか、またいくら支給されるかは、厚生労働省が定める基準で計算される「最低生活費」と「世帯全員の収入」を比較して決定されます。
 
世帯の収入が最低生活費に満たない場合に、その不足する差額分が保護費として支払われます。モデルケースをもとに、具体的にお金の計算方法を見てみましょう。
 
北九州市によると、68歳の単身高齢者世帯の場合、食費や光熱水費などの日常生活に必要な「生活扶助基準額」が7万4350円、アパートなどの家賃にあたる「住宅扶助限度額」が2万9000円となり、合計した最低生活費は10万3350円です。
 
仮に、年金収入が毎月4万円あり、子どもからの仕送りが毎月2万円(合計収入6万円)あるとします。この場合、最低生活費10万3350円から収入6万円を差し引いた、差額の4万3350円が保護費として支給される計算です。もし仕送りが0円で年金4万円のみであれば、支給額は不足分である6万3350円です。
 

食費や住居費、医療などを支える「8つの扶助」と利用時のポイント

生活保護から支給されるお金や支援は、日常生活費だけではありません。困窮の状況に応じて以下の8種類の扶助が用意されています。
 
日常生活に必要な食費や被服費、光熱水費を支給する「生活扶助」のほか、定められた範囲内で家賃などを実費支給する「住宅扶助」、義務教育に必要な学用品費を支給する「教育扶助」があります。
 
さらに、医療機関での診察代や薬代が直接医療機関へ支払われ本人負担がなくなる「医療扶助」、介護サービス利用料が直接支払われる「介護扶助」も用意されています。
 
このほかにも「出産扶助」、高校就学や技能修得にかかる費用を支給する「生業扶助」、葬儀費用を支給する「葬祭扶助」が設けられています。
 
生活保護では、利用できる資産などを生活の維持に活用することが原則です。そのため、預貯金のほか、生活に利用されていない土地・家屋、有価証券など、活用できる資産があれば、その取り扱いを確認する必要があります。
 
自動車についても原則として保有は認められていませんが、一定の事情があり、要件を満たす場合には例外的に保有が認められることがあります。
 
また、現在住んでいる持ち家については、保有が認められる場合があります。ただし、資産価値が著しく高い場合などは、売却などによる資産の活用を求められる可能性があるため、個別の状況に応じた確認が必要です。
 

困ったときは福祉事務所へ相談して適切な保護を受けよう

親の生活を支えるために子どもが仕送りをすることはひとつの方法ですが、子ども自身の生活に支障が出るほど援助を続けることが前提ではありません。
 
親の収入や資産、子どもからの援助だけでは生活を維持することが難しい場合は、家族だけで対応しようとせず、福祉事務所へ相談してみましょう。利用できる制度を確認し、それぞれの生活状況に合った支援につなげることが大切です。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
北九州市 生活保護制度について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

LINE