リタイア前後のライフプラン(1) リフォームは居場所確保のチャンス

配信日: 2020.02.23

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リタイア前後のライフプラン(1) リフォームは居場所確保のチャンス
「退職金は何に使いますか?」の問いに、自宅のリフォームを挙げる人が多いです。一戸建てなら、屋根や外壁の改修。給湯器などの水回りも定期的にメンテナンスが必要です。
 
改修だけでなく、この機会に2人の住空間を考えてみませんか。
 
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

夫婦それぞれの生活リズムで暮らす

「退職金を使ってキッチンをリフォームしたの」という話を耳にします。古くなった水回りの設備交換をするだけのつもりが、キッチン全体の改装になった例も多いようです。購入から20年以上たつと傷みもひどくなっていますし、最新の便利な設備を見せられると、心が動くのも無理はありません。
 
大抵は奥さま主導でコトは進められるようです。退職金を受け取る頃になると子どもも独立しているケースも多いですし、これまでは子ども中心のライフサイクルであったものが、夫婦2人の生活になります。
 
リタイアした夫と2人の生活になってから、奥さまが体調を崩すこともたびたび……この状態は通称「夫源病」と呼ばれています。朝昼晩の食事の準備が大変、友人と自由に出掛けにくくなる、家でのんびりしづらい等々……これまでの生活リズムが崩れるのですから、体調にも影響があるのかもしれません。
 
とはいえ、これは夫サイドにも同様の心配があります。これを回避する方策は「家庭内別居」であると考える方もいます。寝室を別にするなどして“相手の生活リズムに合わせない暮らしを送ること”が、良好な関係を続ける秘訣のようです。就寝中に異変が起きた場合に備えて寝室は同じが良い、という意見もあります。いずれにせよ、夫婦は程良い距離感は必要なようです。

リフォームの予算を決めることで老後資金のバランスを崩さない

前述のような「キッチンのリフォーム」といっても状況はさまざまです。実際のリフォーム例を2つ見てみます。
 
(例1)間取りまで変えて、独立していたキッチンをリビングと一体化。さらに浴室や洗面所の仕様も交換。家中を有効に使えるように大胆にリフォームした。工期は40日で費用は約1087万円
 
(例2)間取りを変えず、キッチンとリビングを仕切る壁を取り払い、窓を追加。設備を最新のものに替えた。工期は約10日で費用は約400万円
 
どちらも、当初は大掛かりなリフォームの予定ではなかったそうです。築30年程度がたち、水回りや床の張替えがきっかけで、住宅メーカーから提案を受けて実施した事例とのことです。
 
リフォーム工事は住みながらの作業ですので、費用だけでなく工期も考慮が必要です。複数の業者に見積もりを依頼することはもちろんですが、事前に予算をしっかり決めて、優先順位をハッキリさせることがポイントです。

1人でくつろげる空間の確保

リフォームを考える際に提案が2つあります。
 
1つ目は、たとえキッチンのリフォームであっても、夫婦2人の意見でコトを進めることです。「男子厨房に入らず」などというのは昔の話です。リタイア後は夫もキッチンに立つ機会が増えますので、2人にとって使いやすい導線を考える必要性があります。
 
2つ目は、自分の居場所(空間)の確保です。わざわざ「書斎を作りましょう」というのではありません。家族の導線の邪魔にならない部屋の一角を、家具で少し仕切るなどして、専用スペースを作ることはできませんか。お気に入りの椅子一脚を確保するだけでも、自分専用の読書空間となります。
 
2人でいる時間が増えると、「たまには、1人きりになりたい」と思うものです。もちろん、外出することも必要です。リフォームやレイアウト変更により、自宅でくつろげる空間を確保することを考えてはいかがでしょう。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士


 

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