2018.02.09 年金

「どうせもらえない」と諦めているあなたは、年金はいつ、どのように振り込まれるか知っている?

年金がいつ、どのように支払われるか、前回第1回では、年金を受ける権利の発生と支給の対象となる月、そして偶数月に支払われるという基本的なルールについて述べました。
今回は各期の年金の支払における端数処理と、年金を受けていた人が亡くなった場合の未支給年金について取り上げたいと思います。

端数は2月支払で調整

年金は年6回に分けて偶数月に支払われますが、年額で計算されている年金を6で割ると、6で割り切れない金額には端数も生じます。
 
この端数がどうなるかというと、まず、6で割った金額の小数点は切り捨て、4月、6月、8月、10月、12月の支払日では、この小数点を切り捨てた額で支払われます。そして2月の支払では、これまで6回分の小数点を合計した額を加算した額で支払われることになります。
 
例えば、【図表1】のように、平成28年度の年金が744,345円、平成29年度の年金が743,582円であったとします。それぞれを6で割って端数を切り捨てると、124,057円(0.5を切り捨て)、123,930円(0.3333…を切り捨て)になります。
 
まず、平成29年の4月の支払では、平成28年度の2月分と3月分の年金、124,057円が支払われます。一方、平成29年度の年金については、平成29年6月、8月、10月、12月、平成30年2月、翌年度である平成30年の4月に支払が行われ、平成30年2月以外の支払日では、123,930円で支払われます。
 
そして、平成30年2月の支払では、123,930円に、平成29年4月から平成30年2月までの6回分の端数の合計額(0.5円×1回分、0.3333…円×5回分)を加算した123,932円で支払われることになります(0.3333…円×5回分、0.5×1回分で2.1666…と出た数字の端数0.1666…については、切り捨てられます)。
 


 

本人が受け取れない未支給年金は遺族に

老齢年金は、支給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)の翌月分から支給されますが、年金はいつまで支給されるかというと、亡くなった日の月の分(権利のなくなる月分)まで支給されます。しかし、そうなると、年金の支払が後払いであるために、少なくとも亡くなった日の月の年金については、本人は受け取れないことになります。
 
6月29日に亡くなった場合では、本来6月分が8月15日に振り込まれますが、8月15日時点では本人はすでに亡くなっているため、受け取れません。亡くなった月である6月分の年金は、その遺族が未支給年金として請求し、遺族が受け取ることになります(【図表2】参照)。
 


 
もし、亡くなった日が6月2日だった場合は、亡くなった月の6月分の年金だけでなく、6月2日に亡くなったために6月15日に受け取れなかった、4月、5月分の年金についても未支給年金となります(【図表3】)。
 

 
未支給年金が請求できる遺族とは、亡くなった当時、同居等で亡くなった人と生計を同じくしていた(1)配偶者、(2)子、(3)父母、(4)孫、(5)祖父母、(6)兄弟姉妹、(7)その他の3親等内の親族となります(請求できる遺族の優先順位は(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)の順となります)。年金を受け取っている人が亡くなったとき、一定の遺族には、死亡届と併せて未支給年金の請求手続きがあるといえるでしょう。
 
Text/井内義典(いのうち・よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

井内 義典

Text:井内 義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。資格学校勤務時代の教材編集・校正業務、個人開業の社会保険労務士・FPとしての年金研修等の講師、公的年金に関する相談業務の経験を元に、年金に関する執筆活動を行っている。日本年金学会会員、日本FP学会個人賛助会員。

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