更新日: 2019.01.07 その他年金
実は自分も対象だった?年金加入記録に漏れがあることも!どう確認すればいい?
しかし、貰えないと諦める前にまず他に年金記録がないか確認をしてみましょう。
Text:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。
日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。
老齢年金の受給に必要な期間
法律の改正により、平成29年8月からは、それまで300月以上必要だった保険料の納付や免除の期間が120月以上あれば老齢年金が受給できるようになりました。
この120月の中に厚生年金加入期間が1年(12か月)以上含まれていれば、生年月日によって60歳台前半からの老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)を受け取ることができます。65歳以降については、120月の期間があれば、老齢基礎年金と老齢厚生年金(120月のうち1か月以上の厚生年金加入期間が必要)を受給できます(【図表1】)。
この改正により、年金を受け取れる人も増えたことになります。しかし、受給のために必要な期間が300月から120月に短縮されても、今の自身の加入記録が120月に足りない人もいるかもしれません。
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勤めていた期間が他にないか?
現在、個々人の年金の加入記録は個々人ごとの基礎年金番号(10桁の番号)で管理されています。かつては、国民年金も厚生年金も制度ごとに異なる年金番号でそれぞれ年金記録が管理されていましたが、平成9年からは、国民年金も厚生年金も基礎年金番号という1つの番号で管理されるようになりました。
しかし、未だ自身の基礎年金番号に入っていない自身の年金記録が存在する場合もあります。年金加入者に向け、これまでの年金記録の確認のため、「ねんきん定期便」も毎年誕生月に送られるようにはなっていますが、基礎年金番号で管理されている加入記録以外の記録がありそうで、
「若い頃、他にこういう会社にも勤めていたことがある」、「基礎年金番号以外にも年金番号を持っている」
というのでしたら、会社名、会社の所在地、業種、勤務期間や時期などを年金事務所で伝えて相談してみるといいでしょう。その勤めていた会社の厚生年金加入記録が見つかるかもしれません。もし、見つかった場合は、記録が統合され、合計の年金加入月数が増えることにもなります。
そして、【図表2】のように、それまでの年金加入記録では120月に満たなかった人も、新たに見つかった記録と合計して120月以上を満たせば、年金を受給できることにもなります。受け取れないと思っていた年金がいくらかは受け取れるようになるでしょう。家族構成と加入記録の内訳次第では、受け取る年金に加算がされることもあります。
年金の受給のために必要な期間が足りない人はもちろん、既に足りている人についても、他の年金加入期間が見つかって、年金記録が追加されると、その分の年金額が増えることにも繋がります。
必ず記録が見つかるわけではありませんが、記録の漏れが気になるようでしたら、まずは年金事務所で相談してみるといいでしょう。