更新日: 2019.07.03 国民年金
「国民年金保険料を早く納めると割引になる」って聞いたけど本当?
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。
日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。
国民年金保険料の額と前納制度の種類
国民年金保険料は、2018年度分(2018年4月分~2019年3月分)は月額16,340円となっており、2019年度分(2019年4月分~2020年3月分)は月額16,410円、2020年度分(2020年4月分~2021年3月分)は月額16,540円となりました。
国民年金第1号被保険者は、毎月の保険料を原則翌月末までに支払うことになっていますが、翌月末の納期限より前倒しで納めることで、保険料を安くすることが可能となっています(前納制度)。この前納制度には2年前納、1年前納、6か月前納、当月前納(早割)とあります。
2年前納は2年分(24か月分)を前倒しで一括納付する方法です。2014年4月から始まった制度で、当初は口座振替のみで前納が可能でしたが、2017年度より、現金やクレジットカードでの前納もできるようになりました。
1年前納は、当該年度(4月から翌年3月)の1年分(12か月分)の保険料を、6か月前納は、6か月分(4月~9月分あるいは10月~翌年3月分)の保険料を前倒しで一括納付する方法です。それぞれ現金やクレジットカードで納付する方法と口座振替で納付する方法があります。
また、当月前納(早割)は、本来翌月末までに納付する当月の保険料を当月末に口座振替で納付する方法です。
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前納によって安くなる額
保険料を前納すると割引がされますが、多く前納した場合ほど、1月当たりの割引額が大きくなるでしょう。2019年度の前納について、現金やクレジットカードで前納した場合の保険料や割引額が【図表1】、口座振替で前納した場合の保険料や割引額が【図表2】のとおりとなります。
2年前納、1年前納、6か月前納それぞれ、口座振替での納付額が現金・クレジットカードでの納付額より安くなっています。
前納の注意点
このように前納すると、1月当たりの保険料は通常より安くなりますが、一度に多くの保険料を納めると、その分手持ちの現金や預金を多く使うことになります。今後近いうちに他に大きな支出を予定している場合は、その点を踏まえて前納をする必要があります。
また、実際、新規に前納を希望する場合、年金事務所への申込期限がありますので手続きを忘れないことが大切です。
例えば、クレジットカードや口座振替による前納の場合、2019年度の2年前納、1年前納、2019年4月~9月分の6か月前納については2019年2月28日が申込期限となっています(前納の申込期限の詳細は最寄りの年金事務所にお問い合わせください)。
クレジットカードで前納する場合は、前納額がクレジットカードの利用限度額を超えないように、口座振替で前納する場合は引き落とし日に残高不足にならないように気を付ける必要もあるでしょう。
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー