更新日: 2019.08.20 国民年金

サラリーマンと結婚した女子学生「扶養に入ったから国民年金保険料払わなくていい」これって将来困る?

サラリーマンと結婚した女子学生「扶養に入ったから国民年金保険料払わなくていい」これって将来困る?
本業が「学生」という方でも、20歳になると、国民年金の被保険者となり、国民年金の保険料を納める義務が生じます。学生と言えども、「オトナの義務」を果たしなさい、と言うところでしょうか。
 
学生と言う方でも、その方のご家庭も含めて、経済的な状況はさまざまあると考えられます。最近では、「学生のうちに起業して、資産を築き上げた」という方もいらっしゃるそうです。
 
また、中にはご自身の、あるいはご家族の生活を支えながら、学生生活を送っていらっしゃる方もいるでしょう。いずれにせよ、本業が「学生」という方でも、「オトナの義務」であることには変わりありません。
 
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

国民年金の保険料をきちんと払うのがベターな選択?

ベターな選択は、国民年金の保険料1万6410円(2019年度)を毎月、コンスタントに払うことです。銀行引き落としやクレジットカード、それにコンビニエンスストアでの支払いなど、払い方もさまざまです。
 
また、年度の途中からですと難しいのですが、翌年度の手続きのタイミングが合えば、6ヶ月、1年、2年の、前納(=まとめ払い)も視野に入れても良いかもしれません。割引もありますので。
 

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国民年金の保険料免除

学生本人だけでなく、世帯主や(いない方が多いとは思いますが)配偶者の、それぞれの所得が一定の水準以下ですと、国民年金の保険料免除が適用されます。なお、免除も、国民年金保険料の全額、4分の3、2分の1、4分の1と、所得の水準に応じて段階的になっています。
 
国民年金の保険料が免除された期間は、将来、老齢基礎年金の受取額を計算するとき、その免除の段階に応じて減額されることになりますが、ゼロになってしまうことはありません。例えば、全額が免除されたとしても、老齢基礎年金の2分の1を受け取ることができます。
 
また、国民年金の保険料が免除された期間に、所定の障害状態になったとしても、障害基礎年金を受け取るための要件を満たす、と判断してくれます。
 

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学生納付特例

学生本人だけの所得が一定水準以下ですと、国民年金の保険料が猶予されます。国民年金の保険料が猶予された期間は、将来、老齢基礎年金の受取額を計算するときには、ゼロとして扱われてしまいますが、所定の障害状態になったとしても、障害基礎年金を受け取るための要件を満たす、と判断してくれます。
 

これがベストな選択? 第3号被保険者になる?

筆者の学生時代の話ですが。サラリーマンの彼氏と結婚(?)した女子学生が「扶養に入ったらしい」という、まことしやかなうわさが流れました。この「扶養」とは、国民年金の第3号被保険者のことで、国民年金の保険料を納める義務はありません。
 
しかし、将来、老齢基礎年金の受取額を計算するときには減額がないばかりか、満額で計算し、もちろん、所定の障害状態になったとしても、障害基礎年金を受け取るための要件を満たす、と判断してくれます。
 
なお、ここで結婚とは入籍していない同棲、つまり事実婚でもOKです。また、第3号被保険者は男性でもOKです。つまり、彼女が会社勤めで、彼氏が学生というケースも想定し得るのです。
 

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避けるべき選択……何もしない、ほったらかし

20歳になると、役所から国民年金の保険料の納付書なるものが送られてきます。もし納付書を無視したり、捨ててしまったりすると、どのようになるのでしょうか?少なく見積もっても2つの問題が生じます。
 
1つ目は、催促です。結構、しつこいです。
2つ目は、障害を負ってしまったときです。
 
もし、障害基礎年金をもらう程度の障害を負ったとしても、「(無視した期間は)障害基礎年金を受け取るための要件を満たしていない」と判断されてしまいます。
 

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まとめ

学生が本業であったとしても、20歳になったら「オトナの義務」として、国民年金の保険料を納めなくてはなりません。ただ、家族や本人の所得によっては免除されたり、猶予されたりします。
 
また、第3号被保険者になるという選択肢も考えても良いかもしれません。いずれにせよ、「ほったらかし」ということがないようにしましょう。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役
 

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